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どれが最善か ページ37

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私が目を覚ました時、真っ先に目に入ったのは自室より見慣れた部屋の天井
そして次に来るのは私がこの世界で、一番大好きな人の匂いだった



「……ここは……」



レオナさんの部屋だ。なぜここに?



「……あぁ」



そうだ、私は完全な悪魔へと変えられたんだった
あの後気を失ったんだろう

上半身を起き上がらせ、自身の体を見ると何故か私はレオナさんのTシャツを着ている
っていうか下着着てないなこの感覚



「………A?」

「ぁ……レオナさん」



ガチャリと扉が開く音に振り向けば、部屋の主が私を見て心配そうな顔をして近寄ってくる
それに私は笑みを浮かべて彼の名を呼んだ



「起きたのか。…体は何ともねぇか」

「はい。ただ、力が溢れて不完全燃焼になってるくらいですかね」



ベッドに腰かけて私の頬に手を添え尋ねてくるレオナさんの声には不安が滲んでいた
封印が完全にとかれたあの時のことは覚えているけれど、レオナさんたちから見たらどんなものだったのか
だがレオナさんの様子からして、見れたものじゃなかったんだろうな。なんて思う



「………………無事ならいい」



グルグルといつもの様に頭を擦りつけてきて、私はそれにクスクスと笑いながら受け入れる



「どのくらい気を失ってたんですか?」

「一日」

「え?」

「メフィストが来たのは昨日だ。それに今はもう放課後だ」



そんなに気を失ってたのかと私は唖然とした



「え、放課後ならレオナさん部活は?」

「休んだ」

「いや、行ってもらっていいですよ」

「お前がこんな状況なのに部活に行くほど俺は薄情な男だと思われてたのか?」

「そういうわけじゃなくて」

「ラギーだって休んでるぜ」



今はアイツはお前の代わりに買い出しに行ったとレオナさんは言った


「……ご迷惑かけてすみません」

「構わねぇよ」



ひとしきり擦り寄られたあと、レオナさんはサリ…と頬を一度だけ舐めてきた
それにビックリして距離をとって彼を見たら、レオナさんの浮べる表情がレオナさんらしくもなくどこか情けない



「………どう、したんですか?レオナさん」



思わず今度は私がレオナさんの頬に片手を当てればレオナさんは目を瞑り、私の手を受け入れて擦り寄ってくる
今のレオナさんはライオンと言うよりも猫に近くて私はどうしたのかとただ戸惑うばかりだ



「A」

「はい」

「…………………好きだ」

「えっ?」



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(プロフ) - 名無し13705号さん» ありがとうございます!更新頑張りますね^^* (2020年7月7日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みおさん» たまには青エクの話入れないとクロスオーバーにならないと思いまして笑 泣き止んでくださいな笑笑 (2020年7月7日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
名無し13705号(プロフ) - 今後の展開楽しみです!体に気をつけて頑張ってください!更新待ってます! (2020年7月6日 23時) (レス) id: 33de3eef08 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 獅郎のことが出てきて、最近の話も出てきて、もう泣きそうです!嘘です、泣いてます…!! (2020年7月6日 18時) (レス) id: e5923a196b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 哭狼さん» いえいえ、お気になさらず!大丈夫ですよ(*^^*) きっとこうしてヒロインは事実上の奥さんになっていくんでしょうかね笑 (2020年7月2日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年6月30日 17時

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