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末の小さな妹よ ページ32

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あの日Aの心に深く刻み込まれた恐怖に、Aは荒く息を繰り返した



「はっ、ぁ」

「怯えに満ちた顔ですねぇ。
実に私の悪魔心を擽りますが、今はそうではないんですよ」



グッ、と私の顎を掴んだメフィストは顔を近づけて睨むようにして覗き込んでくる



「お前は、誰だ?」



その質問の意味が、一瞬わからなかった
でも直ぐにそれを理解して、私はメフィストの手を強く振り払い、睨み返す



「私はっ、奥村 Aだッッ!!!!!」

「クク、そう。そうでなくては困りますよAさん」



反抗したような目をしたAに、メフィストは笑みを浮かべた



「やってやる。私はこの世界で生きるしかないんだ。
私は、あの日決めたんだ。
生きる為なら、お前の駒にでも何でもなってやる!!」

「素晴らしい!その心意気高く評価します。
なら早速私の手足としてこの世界で頑張っていただきます。
その為にも、貴女を完全な悪魔へと変えます」



わかったと、Aは頷いた
その強い眼にメフィストは笑みを深める



「貴女にしてもらうことは二つ。
一つは授業で言いました祓魔師の力の底上げを。
それともう一つ。こちらの方が重要なことです」

「なに」

「完全な悪魔となった貴女に、この世界の悪魔を統べて頂こうと思います」



メフィストの言葉に、Aは目が点になる



「……は、ぁ?」

「悪魔の少ないこの世界ですが、少ない故に存在するのは少々面倒なのが多い。
ですが悪魔は実に単純。強き者に弱き者は従う。
まぁつまり、この世界で貴女を私たち同様悪魔の王として君臨してもらいます」

「お前…私に悪魔の王になれって!?ふざけてんのか!?」

「ふざけてるわけがない」



悪魔の王になるなど、全く想像もしなかったことだ
だから私は異論をただただ述べた
私も頭に血が上っていて炎が漏れだしている

そんな私を見てメフィストはそれに苛立ったんだろう
しばらく文句を聞き流していたメフィストは私の首を掴むと息ができないほど力を込めて、背の高いコイツは私を見下ろすと言った



「うるさいですね。私に牙を向くとは愚かな…」

「グ、ガ、ッ」

「未だに私の足元にも及ばない虫螻同然の貴女たちは偉大な者の脅威に翻弄されるくらいで丁度いい」



そのままメフィストはドンと押すように私を投げ捨て、私は転び咳き込みながらメフィストを睨む



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(プロフ) - 名無し13705号さん» ありがとうございます!更新頑張りますね^^* (2020年7月7日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みおさん» たまには青エクの話入れないとクロスオーバーにならないと思いまして笑 泣き止んでくださいな笑笑 (2020年7月7日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
名無し13705号(プロフ) - 今後の展開楽しみです!体に気をつけて頑張ってください!更新待ってます! (2020年7月6日 23時) (レス) id: 33de3eef08 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 獅郎のことが出てきて、最近の話も出てきて、もう泣きそうです!嘘です、泣いてます…!! (2020年7月6日 18時) (レス) id: e5923a196b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 哭狼さん» いえいえ、お気になさらず!大丈夫ですよ(*^^*) きっとこうしてヒロインは事実上の奥さんになっていくんでしょうかね笑 (2020年7月2日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年6月30日 17時

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