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要するに、彼が行っているのは自傷行為である。その手法は様々で、どれも柔らかい彼だからこそ出来うるものばかりだ。
今日は、岩に躰を打ち付けて粉々になった所を、たまたま見回りで通りすがったモルガとゴーシェが運んできた。その前は、石英の柱に頭を思いっきりぶつけて真っ二つに割り、ユークレースに発見され、担架で運ばれてきた。他にも、不用心に置いてあった剣で自分の頭を突き刺したりだとか、棚の角に右腕をぶつけて治療を頼みに来た事だってある。痛みがない上、仕事がないことをいいことに、これを続けるつもりなのか。
全ては、2週間前のあの会話の続きからである。
なにも、他愛もないことであった。
絶対に嫌われている、どうしようと、しなだれているフォスフォフィライトに痺れを切らしたルチルが言った言葉が始まりだったのだ。
「そんなに彼に会いたいのなら、自分で会う方法を考えてみてはどうです？」
まさかこんな一言が、彼の自傷行為に繋がるなんて思っても見ていなかっただろう。考えるはずがない。まさか、こんな事をしてしまう迄に彼に会いたいと思っているのだろうか、この新人は。只でさえ、慣れていようとも修復には時間がかかる。医務担当のルチルの睡眠時間は削りに削られ、話を聞いた金剛もシワの寄った眉間に手を当てる始末だ。安易に怒れば思いのツボで、かと言ってやめろの一言で、この無知な新人はやめてくれるかどうか。
「＿＿という訳で、アクロ。彼に会ってあげて貰えませんかね。彼、相当貴方に会いたいみたいなんですよ…。私の体力が限界です」
また、粉々になった物言わぬフォスフォフィライトを医務用ベッドに肘をついて指さしたルチルは、金剛に強制で呼び出された、透き通る様な髪と肌を持つ美しい年長者に言い放った。
「……なぜ、その子はそんなにも僕に会いたいんだい？ そんなその、”自傷”までして…」
酷い罪悪感を感じているのか、整った顔は悲しみにゆがめられ、形の良い指を額に当てて、アクロアイトはため息を吐いた。
「分かりません。なぜ、彼がここまで貴方に会いたがっているのか、先生も私も検討が付かないんです。でもとにかく、会ってあげてください。私と先生を助けると思って…」
しばらくそっぽを向いて考えていた無色の彼は、心の弱い部分に触れるようなその言葉に推されたように、ため息を吐いてから言った。
「…ああ、”この子”に『見回りの場所にいる』と伝えておいてくれないか」
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ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» お久しぶりです！後半読んでくださったんですね…！文字数が多めなのでなかなか読み進めづらいのではないかと不安でしたが、とても安心しました…！数々の勿体ないお言葉ありがとうございます！今後の制作の上、とても励みになります！！ (2020年9月28日 19時) (
レス) id: 17ce48cdec (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 恩着せがましかもしれませんが、実は私も個人的に、夢小説を投稿している身で、この小説を読み、語彙欲は必ず要ると再確認出来ました。尊敬します。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。後半の話を読みました。シンシャが嫉妬したり、夢主を心配する場面や感情の葛藤が丁寧に書かれていて凄いと重いました。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» 作品をお読み頂きありがとうございます！ 主人公の関係性などの設定にはかなり拘って制作しておりますので、その点に注目していただけたこと、とても嬉しく思います！ これからも少しずつにはなりますが、更新して行きますので、応援のほどよろしくお願い致します！！ (2020年8月26日 9時) (レス) id: 2ac34ed691 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ワッさん＋aさんの夢小説作品を読みました。夢主のキャラ設定が、すごく凝っていますね。元パートーとの関係性が好みでした。 (2020年8月26日 8時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん | 作成日時：2019年1月8日 6時
