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教室から廊下へ
廊下から庭へ
庭から丘へ
朝から昼へ
昼から夜へ
夜から明日へ
二日後、フォスフォフィライトは分けられた冬の仕事の職場へ、再び雪に埋もれながら歩いていた。薄い光が、彼の意識を窒息させようと、首を締め付けてくる。下半身が埋もれる程の深い雪のせいで足はもたつき、新しい足でも一向に進まぬことに、少しの苛立ちと疲労感を募らせていたが、何とかこの景色に慣れきった先輩の後について行く事が出来ていた。
「ねぇアンターク、一昨日のさ、僕と似たようなことを言ったやつってスファレライトのこと？」
「…ああ、忘れてくれと言われたが忘れられない」
「あーなんかわかるわそれー、スファってどこか存在感がギラギラしてるって言うかさー！ それで、やっぱり僕ってスファレライトと似てるの？」
「分からん、あいつの事は良く知らない。
…ただ、アクロアイトのことなら知っている。アクロアイトは───アクロは、普段も冬眠の時も一際眠りが浅かったから、冬の仕事も、良く手を貸して貰っていた。昔から抜け目のないよく出来た奴だった」
唐突に遠退いた記憶を確かめるように、アンタークチサイトは冷感を伴うくぐもった空を仰いだ。
「同じ白い制服を着て、ヒールの高い靴を履いて、似たような剣を持って、毎年、どちらが多くの流氷を割れるか競っていたものだ」と、こちらを振り返ったまるで彼らしくもない、旧友を語る柔らかな笑みを見て、新入りの視界が、動揺か、はたまたそれ以外の感情的な衝撃で揺らいだ。
「アンタークもさ、アクロのこと好きなの？」
「あいつの事は、仲間の誰だって好きだろう。だが、お前やスファレライト、もしくはシンシャのそれとは違う。私にとって彼奴は『憧れ』だった」
「『憧れ』って」
「単純だ、あんなふうに歳を取りたいと思った。外見こそ似ているかもしれないが、アクロアイトは私にない多くのものを持っている」
「それって協調性とかですかぁ、せんぱーい」
「まだ言うのか！雪掻きのことは謝っただろう！」
いつも表情の変わらない顔面を僅かに引き攣らせて、透明な短髪を持った彼が雪で埋もれた足をものともせずに振り返った。危うく雪の重みで粉々になるかと思いましたよーと、一つ意地悪く言ってみせると、羞恥とほんの少しの怒りを伴った透き通るような顔がさらに顰められる。
「お前こそ、戦略家と言われたスファレライトには似ても似つかないな！」
「お褒めに預かり光栄ですー！せんぱーい！」
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ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» お久しぶりです！後半読んでくださったんですね…！文字数が多めなのでなかなか読み進めづらいのではないかと不安でしたが、とても安心しました…！数々の勿体ないお言葉ありがとうございます！今後の制作の上、とても励みになります！！ (2020年9月28日 19時) (
レス) id: 17ce48cdec (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 恩着せがましかもしれませんが、実は私も個人的に、夢小説を投稿している身で、この小説を読み、語彙欲は必ず要ると再確認出来ました。尊敬します。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。後半の話を読みました。シンシャが嫉妬したり、夢主を心配する場面や感情の葛藤が丁寧に書かれていて凄いと重いました。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» 作品をお読み頂きありがとうございます！ 主人公の関係性などの設定にはかなり拘って制作しておりますので、その点に注目していただけたこと、とても嬉しく思います！ これからも少しずつにはなりますが、更新して行きますので、応援のほどよろしくお願い致します！！ (2020年8月26日 9時) (レス) id: 2ac34ed691 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ワッさん＋aさんの夢小説作品を読みました。夢主のキャラ設定が、すごく凝っていますね。元パートーとの関係性が好みでした。 (2020年8月26日 8時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん | 作成日時：2019年1月8日 6時
