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おはよう────
「おはよう、フォスフォフィライト」
黄金の光が降り注ぐ、青い草原で、フォスフォフィライトは目を覚ました。太陽と重なるように自分を見下ろす何かが、微睡んだ彼の視界を眩ませる。
「おお、やっと起きた。寝坊助さんだ」
眩しい光がにっこりと微笑んだ。
金褐色の白金色の短髪が架空の風にそよぐと、新人の目の前に居るそれは、風になびく髪をそっと左手で抑えた。
必死に凝らして見たその輝かしい色合いには、何処か見覚えがある。目を細めたフォスフォフィライトは、次の瞬間に、その目を見開いた。
「俺は“スファレライト”さ、はじめまして」
「君が、“スファ”？」
黄金の彼は、少々苦笑してみせると「あぁ、そうとも呼ばれている」と、その肩を竦ませた。つづいて、君とはいつかこうしてゆっくりと話がしたかった、と静寂さに少々の明るさと、陰影を携えて言った。
「えぇ、僕と？ なんで？ っていうかこれ夢？」
「夢さ、俺の記憶の中の世界、アクロアイトが『悪夢』と呼んだ世界だ。ペンダントの中の世界と言った方が正しいのかな」
輝かしい自分の世界を仰いでそう言うと、スファレライトは見事な頭髪を揺らして、フォスフォフィライトに振り返った。そこにある笑顔は不可思議なことに、アクロアイトのそれとよく似ていた。
「多分、アクロは俺を愛してない」
「そんなことないよ！」
「それがあるんだ……だって、君と俺は『全然似てない』。今同じなのは、身体の脆さだけだ。君には、月人に立ち向かっていく勇気も、もしかしたら、奴らに勝てる希望だって持ち合わせている。───俺はこんな姿になってもずっと臆病だ。アイツに忘れられてしまうのが怖くて堪らないから、ずっと、自分のインクルージョンを使ってアイツを縛って来た。
それの何処が同じだってんだ」
彼は、自分を皮肉ったような冷笑で、エメラルドグリーンの海の如き草原を見やった。
それから、思い立ったように新人の傍へ些か乱暴に近付くと、半ば上半身を起こしたまま、未だ夢の中の世界に驚嘆を隠しきれない彼の胸倉を、唐突に掴んだ。
薄荷色の三半の口から僅かな悲鳴が絞り出された。
「嘗てはシンシャも君も俺と似ていた。何も出来ない自分を、必要とされない自分を、疎ましく思っていた。だが今は違う、アイツが俺と同じように君達を変えようとした、俺は変わらず、君達は変わった。これからも変わる。
俺はアイツの希望に応えず、
君は応えた────」
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ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» お久しぶりです！後半読んでくださったんですね…！文字数が多めなのでなかなか読み進めづらいのではないかと不安でしたが、とても安心しました…！数々の勿体ないお言葉ありがとうございます！今後の制作の上、とても励みになります！！ (2020年9月28日 19時) (
レス) id: 17ce48cdec (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 恩着せがましかもしれませんが、実は私も個人的に、夢小説を投稿している身で、この小説を読み、語彙欲は必ず要ると再確認出来ました。尊敬します。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。後半の話を読みました。シンシャが嫉妬したり、夢主を心配する場面や感情の葛藤が丁寧に書かれていて凄いと重いました。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» 作品をお読み頂きありがとうございます！ 主人公の関係性などの設定にはかなり拘って制作しておりますので、その点に注目していただけたこと、とても嬉しく思います！ これからも少しずつにはなりますが、更新して行きますので、応援のほどよろしくお願い致します！！ (2020年8月26日 9時) (レス) id: 2ac34ed691 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ワッさん＋aさんの夢小説作品を読みました。夢主のキャラ設定が、すごく凝っていますね。元パートーとの関係性が好みでした。 (2020年8月26日 8時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん | 作成日時：2019年1月8日 6時
