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「フォスフォフィライトは左腕が砕けた。済まない、俺が防御に回っていながら…」
甘言に引き続いて、戦闘時、戦闘後の状況確認を怠らない知識者と知れるアクロアイトに、聡明な赤髪の彼は自身の細い右腕を抱くようにして、告げた。シンシャという同胞は、多大な戦闘力と、知力とを持ち合わせながら、同時に、毒性重金属による生来孤独の運命を着せられた哀れと言わざるを得ない同士でもあった。はたまた、彼は恐ろしく慎重で冷静な部分を備える対話の上でかなりの優秀な性質を持った仲間であったが、根本の純粋で勤勉な性格が災いして、どうにも過度な責任感を負いやすい学び舎でもあった。
赤い若者は、ガラス玉の様な瞳から数滴の銀玉を流すと、暗闇で震える子供のように目を伏せた。
「謝罪をするのは大切な事。だけれど、そんな事は今どうだっていいんだ。フォスフォフィライトは見ての通り、だが、君は…？ ぼくの安否の確認にはもちろんの事、君、シンシャの事も範疇にある」丘上に直立した美しい老君は、無鉄砲に言い放つと、唐突に左手に抱かれていたシンシャの右腕を眼前に掲げた。彼の手首、白粉に覆われた肌には、赤い亀裂が描かれている。
「ここ数年、夜間行動は行っていないのをいい事に、ぼくの視力をあまり舐めないでくれ。君は水銀の特性こそ強力だが、君自身の身体は、高度二。今にも
彼の視線の先には、所々に水銀に晒され、毒染した草原の色が伺える。それを黙認すると、無色純潔なソプラノの少年のような声が「やはり」と呟いた。
「君は、抗争の最中、ぼくや、そこの若輩者に飛んで来た矢を水銀で回避しておいてくれたんだろ？ 水銀を操る時の君には精神的に負荷がかかるから、その腕の罅も、ストレスによるものだろう。ありがとう、数十年ぶりだが、君は相も変わらず優しいんだね…」
この甘言も、理想形と呼べる表情に閃かせた彼特有の優しい笑みも、引っ込み思案な彼を赤面させるには十分だった。自分の功績を気恥ずかしく思う子供のように
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ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» お久しぶりです！後半読んでくださったんですね…！文字数が多めなのでなかなか読み進めづらいのではないかと不安でしたが、とても安心しました…！数々の勿体ないお言葉ありがとうございます！今後の制作の上、とても励みになります！！ (2020年9月28日 19時) (
レス) id: 17ce48cdec (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 恩着せがましかもしれませんが、実は私も個人的に、夢小説を投稿している身で、この小説を読み、語彙欲は必ず要ると再確認出来ました。尊敬します。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。後半の話を読みました。シンシャが嫉妬したり、夢主を心配する場面や感情の葛藤が丁寧に書かれていて凄いと重いました。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» 作品をお読み頂きありがとうございます！ 主人公の関係性などの設定にはかなり拘って制作しておりますので、その点に注目していただけたこと、とても嬉しく思います！ これからも少しずつにはなりますが、更新して行きますので、応援のほどよろしくお願い致します！！ (2020年8月26日 9時) (レス) id: 2ac34ed691 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ワッさん＋aさんの夢小説作品を読みました。夢主のキャラ設定が、すごく凝っていますね。元パートーとの関係性が好みでした。 (2020年8月26日 8時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん | 作成日時：2019年1月8日 6時
