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「まぁ、ぼくが一方的に仲良くしているという方が正しいと思うがね…」あくまで控えめに言ったはずの言葉を確かに聞き入れたはずのフォスフォフィライトは、若葉のような燐光の光沢をさらに輝かせ、僕の狭い肩越しから、整った幼い顔を乗り出した。大方、博物誌の仕事での大発見とかいう件に付いてだろう。
「お願い！ 僕と一緒にシンシャに会いに行って！」
「ほら、言ってますよ、貴方の孫が」
「孫じゃないし、そもそもなんでぼくが君と一緒に？ 彼は無愛想だったり、少し攻撃的な一面もあるにはあるが、人一倍思いやりのある優しい子だ。一度も会ったことが無いって訳でも無いだろうに。丁度日も暮れる。月人が来る心配はほとんど無いし、今回は特別に、ぼくが起きて待っといてやるから、ここは一つ、一人で行ってみるといい」
「やわい鞭ですか？」そう言ったルチルは、満足気に細い腕を組んで、嫌味ったらしくにやけた。「たまにはくれてやってもいいさ」と、ルチルの先攻にたいし、力なく腰を折った僕は、小さく肩を竦めた。
事実、ここ数年、僕が甘んじているからと頼りすぎるのはフォスフォフィライトの『悪い癖』と化しており、鈍感と時として叫ばれる僕でさえもその悪行は認知できる。というより、極最近に、主にルチルに釘を打たれてから、改めて認識したのであるのだが。一生のお願いを一日三度、今回だけという言葉は一週間に五度、服を引き裂かんと引っ張られて懇願されるのは複数回。これでは幾ら願望を引き受けてやっても拉致があかない上、どれほど細かいことでも指示を仰がせるようになってしまえば余計と達が悪くなる。
何にせよ、自身の選択権を他人に委ね続けるのは、彼の将来に取って非常に悪影響に違いない。まるで、未来ある子供に付きっきりの母親のような事を思考力の十パーセントで考える毎日。これも、いつか、と言うより、近い日に直して欲しいものだ。
「はーあーいぃ！ 分かりましたわかりましたとも！ 一人で行けば良いんでしょー！ でもさ、夜って真っ暗じゃん、アクロちゃんと僕の事見えるの？」至極妥当な質問を投げかけて来ると、自分よりも些か身長の低いフォスフォフィライトは小首を傾げた。
「アクロは特別、遠距離の目視に長けているんです。特に暗闇の中ではね。彼の特性の応用ですよ」
「特性？ アクロにも何か生まれつきがあるの？」
「詰まらない話さ。そんな事聞いたって、なんのためにもならない。それよりも早く行っておいで」
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ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» お久しぶりです！後半読んでくださったんですね…！文字数が多めなのでなかなか読み進めづらいのではないかと不安でしたが、とても安心しました…！数々の勿体ないお言葉ありがとうございます！今後の制作の上、とても励みになります！！ (2020年9月28日 19時) (
レス) id: 17ce48cdec (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 恩着せがましかもしれませんが、実は私も個人的に、夢小説を投稿している身で、この小説を読み、語彙欲は必ず要ると再確認出来ました。尊敬します。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。後半の話を読みました。シンシャが嫉妬したり、夢主を心配する場面や感情の葛藤が丁寧に書かれていて凄いと重いました。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» 作品をお読み頂きありがとうございます！ 主人公の関係性などの設定にはかなり拘って制作しておりますので、その点に注目していただけたこと、とても嬉しく思います！ これからも少しずつにはなりますが、更新して行きますので、応援のほどよろしくお願い致します！！ (2020年8月26日 9時) (レス) id: 2ac34ed691 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ワッさん＋aさんの夢小説作品を読みました。夢主のキャラ設定が、すごく凝っていますね。元パートーとの関係性が好みでした。 (2020年8月26日 8時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん | 作成日時：2019年1月8日 6時
