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「そんなこと言って、3000年以上生きてるんだし、本当は見たことあるんじゃないのー？ こう、変な形の花とか、変な模様の蝶とか！ ねぇ！たのむってアクロ！ 一生のお願いだからぁ！」この一生のお願いと言う言葉を、出会ってから何度聞いたことか。
「駄々こねるなよ。ほんとうに珍しいものなんて、見たことないんだ。後でまた、剣の訓練してやるから、それで勘弁してくれ」
「え？ほんとに！？」
忽ち、惚気けた笑顔に打って変わった新人は陽気な足取りで此方に駆け寄った。いつもの事だ、この方法を使えば彼が、多大に口を瞑ってくれる事は特定済みなのである。少しの間、幸せそうな笑顔を横目で見つめてから、いつもの癖で為にならない事を考えていた。この様子を見るに、もう既に幾人かの生徒達に協力を試みていたように思える。大方、ダイヤや、ゴーシェ、モルガ、ジェードのそのあたりか、或いは、のりの素材や白粉と言った部類に長けているルチル、それから＿＿＿。
「そう言えば、アクロ、最近『シンシャ』と顔を合わせていないようですが、良いんですか？ 彼、なかなか貴方に逢えなくて、きっと彼なりに寂しがっていると思うのですけれど…」
夕方の、月人が最も多く出るであろうとの予想時間帯が過ぎた後、学校に帰還した僕に、インクルージョンの無いサファイアの塊を削るルチルは、何気ない声で問いかけた。フォスフォフィライトは、相も変わらず、満足気な顔で、僕の後ろをついて回っている。「そうなんだが、いや待ってくれ、彼の元にはほとんど毎日誰かが通っている筈なんだが」言い訳がまじく僕は言った。そう、彼、シンシャの元には、少なくとも2日に1回は、誰かが訪れる。そのように僕が"彼の仕事を仕立てた"のだ。もう二度と、あの赤髪の彼が寂しい思いを募らせないように。
咄嗟にはみ出た僕の言葉に、白衣は、哀れと言わんばかりのため息を吐いて、黒い手袋に覆われた細い指先で、白粉の塗られた白い額を摩った。
「鈍感も過ぎるとなんかこう、ひと思いに殴ってやりたくなりますね」
「そんな事言うんじゃない。第一、一発殴ってぽきっと痛い目を見るのは君なんだ。知っていると思うんだが、ぼくは平和主義者でね。暴力は極力よして欲しいのが本望だよ」
「そういうとこですよ…」
再び大きな吐息を漏らしたルチルに続いて、僕の背後からひょこっと顔を出した薄荷色の新人は、期待を精一杯に込めた淡く美しい瞳を覗かせた。
「アクロ、シンシャと仲良いの？」
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ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» お久しぶりです！後半読んでくださったんですね…！文字数が多めなのでなかなか読み進めづらいのではないかと不安でしたが、とても安心しました…！数々の勿体ないお言葉ありがとうございます！今後の制作の上、とても励みになります！！ (2020年9月28日 19時) (
レス) id: 17ce48cdec (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 恩着せがましかもしれませんが、実は私も個人的に、夢小説を投稿している身で、この小説を読み、語彙欲は必ず要ると再確認出来ました。尊敬します。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。後半の話を読みました。シンシャが嫉妬したり、夢主を心配する場面や感情の葛藤が丁寧に書かれていて凄いと重いました。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» 作品をお読み頂きありがとうございます！ 主人公の関係性などの設定にはかなり拘って制作しておりますので、その点に注目していただけたこと、とても嬉しく思います！ これからも少しずつにはなりますが、更新して行きますので、応援のほどよろしくお願い致します！！ (2020年8月26日 9時) (レス) id: 2ac34ed691 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ワッさん＋aさんの夢小説作品を読みました。夢主のキャラ設定が、すごく凝っていますね。元パートーとの関係性が好みでした。 (2020年8月26日 8時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん | 作成日時：2019年1月8日 6時
