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その120年後、彼は、スファレライトは…
僕の前から消えてしまった。
幾つかの、物言わぬ躰の欠片と、
「俺が砕けたらその欠片を装飾品にでも何でもして持っていて欲しい」
呪いの言葉を遺して…＿＿＿
▪▪▪▪▪▪▪▪
そうして僕は目を覚ます。
何度か瞬きをして、辺りを見回し、ルチルの手伝いの合間に少しだけ医務用のベッドの横で仮眠を取っていたという事を思い出した。
スファレライトを失った僕は、とんでも無く情けない事に、あらゆるものを傷付けることに本能的な恐怖を感じるようになってしまった。其れは、土の奥の悉くに根を張る樹木のように、しつこくこびり付いて剥がれることがない。あろう事か、僕は憎むべき月人をも傷付けることが恐ろしい。
馬鹿みたいだ、本当に。なんて、情けなくて頼りなくて、脆くて、役立たずなのだろう。
月人を斬ることも出来ず、頼りない僕は、責めてもの償いとして、現在はルチルの手伝いと、普段月人が滅多に来ない丘の見回りを担当している。
この頃は戦争が続き、砕ける宝石の量が尋常じゃないために、医療に手慣れた僕とルチルの技術が多く必要とされている。そのお陰で徹夜の日が続き、両者共々疲労困憊で参っていた。正直僕は平和主義で、基本争いは好まない。が、お陰で久しく夢を見た。
随分と懐かしい記憶の夢。
僕は首に掛けて居る、一つの白黄色に輝く石で飾られたペンダントを服の下から上へと引っ張り出して、太陽に翳すように掲げた。
「お前が見せたのか＿＿＿スファ…」
君は酷いやつだ。
そうやって、
何も話さない欠片だけを置いて
僕をまた独りにした
＿＿でも、若しかしたら、彼が行ってしまったのは、僕のせいなのかもしれない。僕が、彼を護れていたら…、彼はまだこの場所で笑って居られたのかもしれない。
もし、僕が彼に仕事を勧めたりし無かったら…
そうして、考える度に毎度毎度、罪悪感が降り積もっていくだけの毎日だ…
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ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» お久しぶりです！後半読んでくださったんですね…！文字数が多めなのでなかなか読み進めづらいのではないかと不安でしたが、とても安心しました…！数々の勿体ないお言葉ありがとうございます！今後の制作の上、とても励みになります！！ (2020年9月28日 19時) (
レス) id: 17ce48cdec (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 恩着せがましかもしれませんが、実は私も個人的に、夢小説を投稿している身で、この小説を読み、語彙欲は必ず要ると再確認出来ました。尊敬します。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。後半の話を読みました。シンシャが嫉妬したり、夢主を心配する場面や感情の葛藤が丁寧に書かれていて凄いと重いました。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» 作品をお読み頂きありがとうございます！ 主人公の関係性などの設定にはかなり拘って制作しておりますので、その点に注目していただけたこと、とても嬉しく思います！ これからも少しずつにはなりますが、更新して行きますので、応援のほどよろしくお願い致します！！ (2020年8月26日 9時) (レス) id: 2ac34ed691 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ワッさん＋aさんの夢小説作品を読みました。夢主のキャラ設定が、すごく凝っていますね。元パートーとの関係性が好みでした。 (2020年8月26日 8時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん | 作成日時：2019年1月8日 6時
