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* * *
＿＿誰かを愛してはならない。
愛してしまったら、
何も無いのが結局は一番傷つかず、日々を何となく過ごしていける重要な道具なのだ。何も思い入れのない日々が一番平和で安全なのだ。それは成長を諦めることに等しく、得るべき何かを捨ててしまったことに等しい。だが、それが僕には救いであり、”彼”を行かせてしまった罰でもある。
僕はなるべく誰も愛さずに、安心して、平和な日々を過ごして行きたいのだ。大切な誰かを失う危険を捨てて…
「そうか？ 俺はそうは思わないけどな…。誰かを大切に思えるってすごく素敵なことだと思う。辛いことも増えるだろうが、その分、お前の毎日が楽しくなると思うんだ。だから、”愛してはならない”ってことはないんじゃないか？」
僕が柄にもない哲学を述べると、君はそう言って、照れくさそうに笑った。そのぎこちない笑顔が僕の日常で…。
そうだ、そうなのだ、僕はそんな日常をたまらなく愛していた。君がいる日常は君が言う通り、とても楽しくて、愛おしかった。
ぼくは、君の事を＿＿＿＿
でも全て失った。
「結局、ぼくにとって唯一の君は、情けないぼくを置いて月へ行ってしまった。だからぼくはもう誰も愛したくない。懲り懲りなんだ…こんな想いをするのは…」
そうして、夕方の医療用ベッドの上に腰を下ろしている僕は、同じベッドに力なく横たわっている、月人の矢により砕けたフォスフォフィライトのひび割れた頬に触れた。予想にもない突然の襲撃で砕かれたこの薄荷色の新入りだが、破損は大規模で、伝達を受けて駆けつけた仲間数人に手伝ってもらって、何とか医務所まで運ばれてきた訳である。
ルチルの疲労困憊のお陰で修復には手間がかかったが、時が経てばそのうちヒビも消え、直ぐに元の状態に戻るだろう。
僕がほんとうに大変なのは恐らくこれからだ。もう時期、ルチルも知らせを聞いて起きてくる頃だろう。と、予測していたとき、ちょうど少し遠くから、ヒールの足音が響く音がした。
凄まじい速度でそれはこちらに向かってきている。白衣の彼が、息を荒くして、曲がり角から姿を現した。
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ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» お久しぶりです！後半読んでくださったんですね…！文字数が多めなのでなかなか読み進めづらいのではないかと不安でしたが、とても安心しました…！数々の勿体ないお言葉ありがとうございます！今後の制作の上、とても励みになります！！ (2020年9月28日 19時) (
レス) id: 17ce48cdec (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 恩着せがましかもしれませんが、実は私も個人的に、夢小説を投稿している身で、この小説を読み、語彙欲は必ず要ると再確認出来ました。尊敬します。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。後半の話を読みました。シンシャが嫉妬したり、夢主を心配する場面や感情の葛藤が丁寧に書かれていて凄いと重いました。 (2020年9月28日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん+a(プロフ) - ベルモットさん» 作品をお読み頂きありがとうございます！ 主人公の関係性などの設定にはかなり拘って制作しておりますので、その点に注目していただけたこと、とても嬉しく思います！ これからも少しずつにはなりますが、更新して行きますので、応援のほどよろしくお願い致します！！ (2020年8月26日 9時) (レス) id: 2ac34ed691 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ワッさん＋aさんの夢小説作品を読みました。夢主のキャラ設定が、すごく凝っていますね。元パートーとの関係性が好みでした。 (2020年8月26日 8時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん | 作成日時：2019年1月8日 6時
