捨て名、拾い名 3 ページ12
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「何か欲しいものはあるか?」
「……じゃあ、一つだけ、
頼みたい事があるんだ────」
最後の仕事をしたいと、Aは云った。
...
「最後の仕事?」
「うん、流石にいきなりだったから、大切な情報提供の仕事を残したままでね。一応は真逆尋ねてきたマフィアに誘拐されるなんて、想像も付かなかったから…」Aは苦笑してから確認の為、「善いかな」と首を傾げた。
「内容に寄るな」
対して、淡々と答える中原。彼女はコクリと頷くと、言葉を整理すべく、斜め上に目を遣って、其れから牡丹で留めたシャツのポケットから掌並の黒い長方形型の小物を見詰めて続ける。
「此の情報を移したUSBメモリを届けるだけ何だけど…───」
「用意周到だな」
「うん、家に侵入されても調べた情報は私が肌身離さず持ってれば何とかなるからね」と、言い残し、暫く中原を見つめる。
「判った俺が行く。提供先は?」
「…………『武装探偵社』だよ」
「探偵社ァ！？」
『武装探偵社』確かにAはそう云った。寄りによって。マフィアと水と油の関係に有る敵対組織の名を。ポートマフィアに並ぶ横浜二代異能組織の名である其れを。
そう、其れを寄りにもよって……
「…マジかよ」余りもの衝撃と嫌悪に頭を掻いた。それでは丸で、マフィアが探偵社に助太刀をしている様なものではないか。そう成れば、闇を仕切るポートマフィアの幹部として有るまじき失態だ。その上、もし、中原自身が情報提供出来たとしても、届けた情報を探偵社員が信用するかも避けられぬ疑問である。
「やっぱり無理?」
「いや、だが、如何する…」
暫くの沈黙の間、蒼い瞳がじっと中原を見据えていた。中原もじっと其れを見詰めていたが、軈て折れたように溜息を吐いた。
「判った。俺は手前の護衛として着いていく、情報提供はお前がやれ」
そう云うと、Aはぱっと顔を輝かせた。
「善いの?」
「…勘違いするな。今日一日だけだ」
顰めた彼の表情に関わらず、Aは、苦しみ一つと感じさせない笑みを浮かべていた。純粋でなんの混じり気もない笑顔だ。
「───うん、ありがとう」
「あぁ…」
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ワッさん＋a(プロフ) - あひゃこさん» いえいえ！まさか紹介して頂けるなんて夢にも思いませんでしたから！こちらこそ、ずっと応援してます！ (2018年6月12日 19時) (
レス) id: 0cdcac71cf (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - ワッさん＋aさん» 承諾頂きありがとうございます こちらこそ、このような素敵な作品を私の作品で紹介できて大変嬉しいです^^* 私の新作である 生前手記 という作品に載せさせて頂きました これからも応援しています (2018年6月12日 18時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん＋a(プロフ) - あひゃこさん» おおおわっ！良いのですかっそんなっ！有難うございますっ！いや、迷惑だなんてちっともっ！寧ろ光栄と言うか、願ってもないお話です！是非此方からもお願い致しますっ！！ (2018年6月12日 18時) (レス) id: 0cdcac71cf (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - ワッさん＋aさん» そうなのですね こちらこそいつも閲覧頂きありがとうございます ご迷惑でなければ、是非この作品を沢山の方々に閲覧してほしいという私の思いがありまして… 作者様さえよろしければ、是非私の作品でこの作品を紹介させて頂きたいです(><) (2018年6月12日 8時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
ワッさん＋a(プロフ) - あひゃこさん» 励みになるコメントを有難うございます！細やかで僕も特に気を使っている部分に目をつけて頂いて嬉しい限りです！之はご期待に答えて更新せねばっ！それと、僕もあひゃこさんの作品は愛読させて頂いて居ります！！素敵な作品が多く、何時も目を見張るばかりです！ (2018年6月11日 17時) (レス) id: 0cdcac71cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワッさん＋a | 作成日時：2018年5月27日 21時
