自信喪失 ページ36
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「あ、人使」
「A？」
あのまま廊下を走っていたら、目の前を心操君が歩いていた。
私は立ち止まって笑みを向ける。
「お疲れ様」
「おつかれ」
もう爆豪君も撒けた見たいだし、私は心操君の隣を歩く。
さっきまで爆豪君が凄く五月蝿かったからかな。
なんか人使の隣は静かに感じる。
やはり、推しの隣は落ち着きますね！
「……俺さ、」
「ん？」
一人和んでいると、突然人使が立ち止まったので、私も立ち止まる。
「ヒーローに、なれるかな…」
震えた声が、聞こえた。
私は心操君の顔を見上げる。
不安そうな顔で、人使は俯いていた。
「今更なに言ってんの！そんなの、なれるなれないの話しじゃないでしょ。なりたいかどうかだよ」
「…………」
「なりたいものになるために、皆努力するの。いっぱい努力して、なりたいものになるの。人使は努力した。たった１６人の決勝トーナメントのメンバーに入ってたんだよ？」
「騎馬戦はAに頼りきりだった」
「あのねぇ…騎馬戦でハチマキを取ったのは人使。私はバレないように近づいたに過ぎないよ。それに、第一競技の方が競争率高いでしょ」
私がそう言っても、人使は黙って下を向いたまま。
私の方を見やしない。
一回戦のあの誇らしげな彼はどこに行ったんだ。
…もしかして、私が1位になったから自信喪失しちゃった、とか？
さすがにそれは自意識過剰だよね？
「…ねぇ、人使。努力は必ず報われるってよく言うじゃん？あれさ、嘘だよ」
「……は？」
驚いたように私を見た人使。
やっと顔を見せた幼馴染に、私は告げる。
「努力はいくらしても足りない。どれだけ努力しても、終わりはこない。努力はするだけ無駄」
「っ！！」
息を呑む人使に、私は笑って
「それも嘘だよ」
と告げる。
「努力は必ず報われるわけじゃない。でも、努力したことは無駄じゃない。努力することは無駄なんかじゃない」
でしょ？と言って微笑めば、人使は目元を手で覆って小さく頷いた。
指から零れている涙は無視してあげよう。
「人使は努力したんだから。誇っていいんだよ。努力したんだから、自分をもっと褒めてあげて」
私は手を伸ばして、人使の頭を優しく撫でる。
「その経験がいつか必ず、人使を前に進めてくれるから」
「……うん」
とうとうしゃがみこんでしまった人使に苦笑して、私は頭を撫で続けた。
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青折り紙 - ま、まさか…フィクサー!? (2021年10月24日 8時) (
レス) id: 157c6e138f (このIDを非表示/違反報告)
絶 - USJ部分見たかった(´･ω･`)ｼｮﾎﾞｰﾝ (2020年9月9日 19時) (レス) id: a929c5d209 (このIDを非表示/違反報告)
みみ美 - あのお！！好きです！！いや好きです！頑張ってください！！ (2020年8月1日 19時) (レス) id: f8072227e7 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - いや、好き、頑張ってください (2020年4月11日 17時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪狐 - 幸せの花と片羽の蝶って小説版の題名ですよね (2020年4月2日 22時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：心哀雪 | 作成日時：2020年3月1日 15時
