今日から一緒に暮らします

搬送（剛典） ページ39

今日はキキがいるからと、早めに仕事を切り上げて、ご飯作って待ってると…


ｶﾞﾁｬ



「キキ？」




玄関まで迎えに行くと、倒れたキキ



「キキ！？」





輝「ｯﾊｯﾊ…ﾊｯ…」




呼吸困難！？



「キキしっかり！今救急車呼ぶからね！」





すぐに、救急車に運ばれた輝星



医「もう大丈夫ですよ」






「そうですか。良かったぁ…」





医「恐らく過呼吸になっても放置したか、走ったりして呼吸困難になったんだと思いますよ」





「はい、、」




医「それと、きら君のお腹と背中に痣があって結構酷いんですけど…ご存知でした？」





「はい！喧嘩したみたいで、あんなに小さいのに年上とやったみたいで…」





医「そうですか。意識回復したら、帰って大丈夫ですよ」





「ありがとうございました！」




医「あ、忘れてました。あと少し遅かったら恐らく死んでたと思います」





「そんな、、助けてくださりありがとうございました！！」




キキの寝てる部屋に行くと、もう起きてた





「ね、呼吸苦しかったのに走ったの？」






輝「逃げてきただけ」





「逃げる？」






今日、何があったのか話してくれたキキ





「さやがいじめられてたって言えば良かったじゃん」




輝「それじゃダメなんだよ。それじゃあ…息子がいじめられてるって知ったらきっと自分のせいだって責めるでしょ、あの人」





「涼太…？」






輝「さやと君だって、涼太さんの事大好きなのに、自分のせいでいじめられてるってお父さんに思わせて、悲しい顔させたくないんだよ」






「全部、涼太やさやとのため？」





輝「さやと君がいじめられて、良い事なんて何もないから…でも、いじめられてるのは事実」


輝「だから、皆がいい気になるのは…僕がやったって事にすれば、皆子供を守る。家族の絆が深まるよ(笑)」





「だって、お前は？」






輝「親がいないの慣れてる。１人で生活する事も慣れてる。責められることもいじめられる事も慣れてる。僕は大丈夫」





「キキ…お前ホントに優しいな。でも、辛かったら辛いって言って良いんだぞ」





輝「岩くん、大丈夫だよ。僕は大丈夫」





「そっか…帰ろう？夕飯作ったんだ」





輝「この事、あの人達には言わないで。学校にも呼び出されてるから疲れてるし、怒ってる」





「わかった」





最後まで、誰かを庇い続けるこいつは

誰よりも強くて

そして、誰よりも弱い

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