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残った時間は役割ごとに分かれて準備を進めていくことになった。私はひとまず大城と一緒に人数が少ない装飾班に入る。
「教室の飾り付けどうする?」
「リボンとかで可愛くしよ」
「あ、フルーツ飴の棒のところに飾り付けても良いんじゃない?」
「なんなら当日は売り場担当なんだし何か着ようよ」
私がノートにメモを取る手も休まらないほど話はどんどん進む。最終的にフルーツ飴を販売する教室内をリボンや折り紙、風船などでデコレーションしたり、売り場の机にテーブルクロスを引いたりすることになった。
「誰が買い出し行こうか?」
その一声でグループ内は一気にシーンとなる。
「俺にそういうの任せたらあかんから……」
「私土日は予定あって」
「1人で行かなきゃ駄目?」
お互いがお互いの顔を見合う状況に耐えかねて私は「はい」と手を挙げた。
「私行くよ。テーブルクロスの柄とか飾り付けはみんなに決めてもらいたいけど」
「ホントに!?」
「Aありがとう!」
「……なら俺も行く。委員だし」
「え、大城も?」
てっきり1人だと思っていたため驚いて大城の方を見ると、彼は少し口元を緩ませた。
「さすが委員」
「お願いします!」
そうしてふたりで買い出しに行くことが決まった。放課後、文化祭経費を貰いに職員室に大城と向かう。
「Aって結構お人好し?」
「なんで?」
「さっきも買い出し自分から名乗り出たし」
「そういうんじゃないよ。自分に出来ることそれくらいしか無いから……」
「みんなのことまとめるだけでも大変だと思うけど」
「大城だって一緒に行くって言ってくれたじゃん」
「1人で行かせるわけにはいかないから」
あ、気遣わせちゃったかな、なんて申し訳なく思い目線を外す。「ありがとう」とだけ言い、到着した職員室のドアをガラリと開けた。
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てまり(プロフ) - コバさん» はじめまして!そう言って頂けて嬉しいです☺️ ありがとうございます! (3月21日 23時) (レス) id: d524f429ae (このIDを非表示/違反報告)
コバ - はじめまして!青春って感じがして読むのがワクワクします🤤 (3月20日 0時) (レス) id: e88cbb1189 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てまり | 作成日時:2024年3月19日 21時