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朝8時20分。朝の騒がしい教室はガラガラ、というドアが空けられる音と「おはよう！」の関西弁まじりの声で静かになっていく。教室に入ってきたのは担任の小林誠司先生だ。
「先生おはよ」
「おはようございます」
「はいおはよう。みんな席座ってなー」
口々に飛び交う挨拶の真ん中にいる小林先生はピシッとワイシャツを着ていて、眉はいつもきりっと締まっている。今日もかっこいいな、なんて頭で思うが口には出さない。
「先生今日もイケてんね」
「おーありがと」
先生には私が言えないその言葉がしょっちゅうかけられる。うちの担任は所謂爽やか系イケメンだ。昨年の夏、うっかり恋に落ちてしまった彼は今では担任の先生で、毎朝合法でその姿を見ることが出来る。
「先生来た？」
「来たよ」
「なら起きなあかんか……」
そう話しかけてきたのは隣の席の大城卓三。つい先日の席替えで初めて横になったが、朝も授業中も大体寝ている。
「一限目なんだっけ」
「現代文」
「ありがと。朝からキツイな」
「どっちにしろ寝てるじゃん」
「うるせ」
またぐでんと机にうつ伏せになる大城と軽口を叩き合いながら目では先生を追う。欠席者がいないかを確認したら今日の連絡事項を生徒に向けて告げていく先生と目が合い、「どうしたん？」と言うように微笑まれた。
つい目を逸らしてしまうが心の中はドキドキで、目線を向けた先には大城がいる。
「なんで顔赤くなってんの」
「なってないよ」
「明らか照れてるでしょ」
「照れてないから！」
不思議そうに首を傾げる大城を尻目に、机の中から数学の教科書を取り出した。先生が好きなことは私以外の誰も知らない。知られてはいけないんだ。
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てまり(プロフ) - コバさん» はじめまして！そう言って頂けて嬉しいです☺️ ありがとうございます！ (3月21日 23時) (
レス) id: d524f429ae (このIDを非表示/違反報告)
コバ - はじめまして！青春って感じがして読むのがワクワクします🤤 (3月20日 0時) (レス) id: e88cbb1189 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てまり | 作成日時：2024年3月19日 21時
