恋風乱舞 2nd【ars M.A】 (ページ6)

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41.ヨル・ゴハン。ページ6

俺んちの駅まで帰って来て、そこからうちまで一緒に帰る。

今日は送ってかないで良いんだ...って思うと、またムフってなった。

アパートに着いて、ドアに鍵を差し込む。

Aちゃんがうちに来るのはもう何度目だろうって位、何回も来てくれてんのに妙にドキドキした。

ドアを開けた瞬間、家を出る寸前まで焚いてたお香の匂いが玄関に流れて来る。
我ながら、何だかイイオトコの部屋っぽい。

「お邪魔します」
「うん、どうぞー」

玄関にある作りつけの棚の上に鍵を放り投げ、部屋に入ってAちゃんの鞄をベッドの脇に置く。
...やっぱ、この中身お泊りセットだったんだ。

「そうだ、夜ご飯どうする？」
「あ！私、今度こそ先輩のバイト先行ってみたいです！」
「あー、そうだね！じゃあ、そうしよっか！」

お店が開く時間まで、とりあえず映画のDVDとか観て

ムラムラしない事も無かったけど、夜は長い！って自分に言い聞かせて我慢。
我慢してから味わう方が何でも美味しいって知ってんの、俺。

開店時間に合わせて、バイト先に行く。

扉を開けて顔だけを突っ込んで店内を覗くと、斗真さんが「あれ？雅紀くん、今日出勤じゃ無いよ？」って不思議そうな顔をした。

「あ、ご飯を食べに来たんですけど...」
「おー、今日はお客さんな訳ね！いらっしゃい」
「はい、...あのー...」
「ハハッ、何だよ」

ずっと顔だけを突っ込んでる俺に斗真さんが笑う。

「俺一人じゃないんですけどー...」
「友達と来てんの？...あ！もしかして！」

斗真さんがニヤリとしたから、俺もヘラっと笑ってAちゃんと一緒に店に入った。

「えっとー...、彼女のAちゃんです」

俺が紹介したら、Aちゃんは深々と頭を下げて「初めまして、大坂Aです」って挨拶。

チラっと見るとやっぱ顔真っ赤。
ホント、照れ屋だなと思う。
でも照れ屋なのに、ちゃんとこーゆー挨拶は出来るトコがAちゃんらしい。

「初めまして。生田斗真です。Aちゃんの話は雅紀くんから聞いてるよ」
「えっ！？私の話...」
「あー、それと潤からも聞いてるから俺としてはあんまりAちゃんと初対面って感じしないんだよね」
「潤ちゃんが！？絶対変なコト言われてる...」

ムムム...となったAちゃんを見て、斗真さんが優しく微笑んだ。

「ほら、そんなトコ突っ立ってないで席座んなよ」
「はい！Aちゃん、座ろ」

俺たちはカウンターの一番奥に並んで座った。