恋風乱舞 2nd【ars M.A】 (ページ15)

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50.アサ・ゴハン。ページ15

前にも『朝ご飯はAちゃんが良い』なんて言って、朝から食べちゃった事あったなー...って思い出す。

気怠い身体にAちゃんを抱き締めて、髪を撫でると

彼女は俺のほっぺをつついた。

「んー？何？」
「先輩のホクロ、好きなんです」
「ホクロ？あぁ、ほっぺのやつ？」
「うん」

何だか嬉しそうな顔して、俺のほっぺツンツン。
そんなにこのホクロが好きなのかな。
あ、でも俺もAちゃんの腰にあるホクロ好きだから一緒か！

「今日は何しよっか」

腰のホクロがある辺りを触りながら訊くと、ペチッと手を叩かれた。

「いって」
「もう...くすぐったいです！」
「くすぐったいだけー？」
「え？」
「くすぐったいと、キモチイは紙一重らしいよ？」

ムフッとなって、また腰を撫でると「もうっ！」って笑ったAちゃんが俺の胸をグッと押した。

「さすがに朝から二回はしんどいか！」

もう...ってまた膨れたAちゃんのほっぺを両手でギュッと挟んでから

身体を起こす。

「さぁてと...お腹減ったな...」

朝ご飯は美味しく頂いたけど、今度はリアルな空腹が襲って来た。

「Aちゃん、トーストで良い？」
「あっ...私が焼きます！」
「ホント？じゃあ、チーズとハム乗ってるやつが良いな！」
「フフッ、材料ありますか？」
「あるある！」

タオルケットを体に巻いてベッドにペタンと座ってるAちゃんのおでこにキスして

「お願いしまーす」

って言うと、「かしこまりました！」ってペコリ。

何これ。
何このレストラン。
胸キュンレストラン。

Aちゃんが部屋着を身につけてキッチンへ行く。
俺は冷蔵庫からハムとチーズ、それと棚に置いてた食パンをだしてからローテーブルの前に座って待機。

胸キュンレストランのシェフの後姿をチラッと見ながらテレビをつけると、朝の情報番組が夏の旅行特集してる。
旅行も良いなぁ...まだ無理かなぁ...

でも旅館とか良いなぁ。
シティホテルってゆーの？ラブなホテルじゃない、エントランスにドアマン居るタイプのホテルとかそんなんも良いなぁ。

...って結局またお泊まりの事ばっかだし、俺。

「お待たせしましたー」
「おっ！あ、何かオーダーより豪華になってる！」

トーストされた食パンの上にハムととろけたチーズ、そこに目玉焼きまで乗ってる。

「卵があったから、乗せてみました」
「うまそー！」

俺たちは、ジブリのアニメに出てきそうなご飯を情報番組観ながら、並んで食べた。