恋風乱舞 2nd【ars M.A】 (ページ12)

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47.ソウイウノガ・ユメ。ページ12

「背中、痛くない？」

Aちゃんの服を脱がせて暫くしてから、気付いた。

硬い床の上、背骨ゴリゴリしちゃわないかな。

「大丈夫です...」
「嘘だ」
「......でも、大丈夫です」
「やっぱ痛いんじゃん」

クスっと笑うと、Aちゃんも笑った。

「ベッド、行こっか」
「......」
「俺、せっかくコロコロしたし」
「コロコロ？」
「コロコロ」

片腕を床についたまま、Aちゃんを見下ろしながら片手でジェスチャーをして「コロコロね」って言ったら、「あぁ！コロコロ！」って頷く。

コロコロのジェスチャーをしてた手を、Aちゃんの背中に滑り込ませて起き上がらせてあげる。

そしたら、お互い上半身裸で向かい合う体勢になっちゃって、思わずギュウっと抱き締める。

「フフッ、きもちー」
「えー...？」
「Aちゃんの胸がさー、むにって」
「ちょ...！もう、先輩！」

俺の腕の中でジタバタしてるAちゃんが可愛くって、早くどうにかしたくって

また押し倒しそうになったのをグっと我慢して、その身体をヒョイっと横抱きにして立ち上がった。

「あ...先輩...」
「ベタだけどねー、お姫様抱っこでベッドに移動とか」

ありがち過ぎるけど。

でも、上半身裸のAちゃんにベッドまで歩いてって言うのは何か違うし。
と、思うとコレしか思いつかなかった。

「マサキ急行、ベッド行きー！」

でもやっぱちょっと照れ臭いから、「出発進行！」なんてフザけてベッドまでAちゃんを運ぶ。

そのついでに、電気もパチっと消しちゃう。
全部消したら何も見えないから、ベッド脇の間接照明だけは消さないのが俺のコダワリ。

だって、見たいもん。イロイロと。

ベッドにAちゃんを下ろして、タオルケットを自分の背中に掛けながら彼女に覆い被さる。

二人の重みでベッドが軋むのが、好き。
ワルイコト、してるような気分になるのが好き。

窓の外は、夜。

この後、何時間も一緒に居られる。

「Aちゃん、今日は寝かさないから...」
「...えっ...」
「って、言うのが夢だったの」

本当に寝かせるつもりも無いけど。

あ、だけど君を抱き締めて眠りに就くのも幸せそう。

どっちが良いかな、初めての夜。

とりあえず今は

「Aちゃん、いっぱいきもちーコトしよ」

もう我慢の限界もとっくに超えてるから。

Aちゃんの耳をもう一度甘噛みすると、彼女はやっぱり可愛く鳴いた。