百六 ページ6
『だーんーなー』
「………お前なんで勝手に入ってきてんの?」
『ここは私の第二の家だよ、パパ』
「誰がパパだ!‼」
現在地、万事屋銀ちゃん。
溜まりに溜まった総悟くんの始末書を書かされる日々に嫌気がさしそれをぶん投げてきた。
「…で、手ぶらで来たわけじゃねェだろうな?」
『ほんっと現金な人ですよね』
「なんとでも言え」
『甲斐性なし、マダオ、ニー』
「それ以上はやめてェェェェエ‼銀さん泣いちゃうよ!?」
『…とりあえず饅頭持ってきましたから』
「さっすが俺のAちゅあん」
柄に手を掛ければ急いでごめんと謝る旦那。まぁいいかと手を離して饅頭を出すとすぐにそれは口に入れられた。どんだけ糖分欲してたんだこの男は…まぁいいか。
そういえばといない二人のことを聞けば神楽ちゃんは定春の散歩で新八くんはお通ちゃんのライブだとか。
それで旦那だけか、納得。
「で、本来の用件はなんだ」
『流石金になることとなると鼻が効く』
「お前そこの窓から放り出すぞ」
『それでですね』
「スルーかよ‼」
煩い旦那を無視しながら動乱時に紛れて起こった案件と私の過去について話す。いつものようにだらけてはいるが話しは聞いてくれているようではあった。
「…なんつーか、普通に重てェ話だな」
『多分雪さんならあの日の…火事のこと知ってるはず』
「いやお前さっきから俺の話聞いてねェだろ」
『兎に角旦那、お願いします』
前金を渡せば旦那は何も言わずに受け取った。多分やるということなのだろう。
お願いしますと頭を下げてから私は万事屋を後にした。
*
「…で、お前ェは何を隠してんだよ」
「てめェにゃ関係ねーよ」
「本当は奉行所からもきてんだろ」
「…」
「隠しててもいつかはアイツ自身が向き合わなきゃなんねェことだぞ」
「だからこそ今は知らせるべきじゃねェ。これ以上……
アイツを苦しめたかねェんだよ」
土方の言葉に銀時は何も言えなかった。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月13日 21時