19 ページ19
．
12時前。水族館の前の時計集合。
10分前に着いたのに、不破先輩はもう来ていた
白の半袖シャツに左胸にMと書かれたジャケット。下は黒いパンツを履いていて、髪はいつもとは違っておでこを出るようなセット。
時計の下で携帯をいじる彼は、それはもう異次元から飛び出してきたように絵になっていて…
周りにいた女の子達が、目を奪われている。
それは、カップルで来ていた女の子も、私も同じ。
しばらく遠くで不破先輩をみながら立ち尽くしてしまった。
私、今不破先輩の隣を歩けるような女の子かな。
「あ！Aちゃん！」
下を向いていた私を見つけたのか、不破先輩は明るい声で私を呼んだ
「おはよ〜…の時間じゃないか！」
ニッと笑う彼を見上げると、私が泣きそうになっているのに気づいたのか。少し眉を潜めた
「どした？なんかあった？」
あまりにも優しい声に、余計涙がこぼれてしまう
あぁ…メイク落ちる
「だって、不破先輩…かっ、こいいから…」
「えぇっ！？」
不破先輩は、驚いたように、でもすごく照れてて…それを隠すように、少し変な顔した。
それが可愛くて、可愛くて、可愛くて…
ちょっとおかしくて。
「ふふっ…」
「お、俺かっこいい？」
不破先輩はニコニコしながら私に聞く
「はい」
「んはは、いい子やな〜」
そう言って、私の頭をセットした髪が崩れないように優しくポンポンと撫でた。
あぁ、こういうところが好き。
「行こっか」
いつもより甘い声でそう言って、水族館を指さした。
小さく頷く。
バクバクと血管という血管から血が飛び出しそうな勢いで血が波打っているのがわかる。
「あと、言うの忘れてたけど…今日めっちゃかわええね。似合ってる」
そう言って、また私の頭を優しく撫でた。
あぁ、ダメだ。好き。
「不破先輩もかっこいいです」
「んはは、ありがとっ」
照れ隠しなのか、不破先輩が変な風に言うから笑ってしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白米(プロフ) - 豆腐ちゃんさん» ありがとうございます！笑 (2023年3月13日 10時) (
レス) id: 28dea4d994 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ちゃん - めちゃくちゃいい小説！愛した (2023年3月10日 21時) (レス) id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
白米(プロフ) - 彩女さん» こちらこそ楽しみにしてくださってありがとうございます🙇🏻♀️😭 (2022年12月7日 23時) (レス) id: 28dea4d994 (このIDを非表示/違反報告)
彩女(プロフ) - 更新ありがとうございます！！不定期投稿とのことですが、楽しみにしてます！ (2022年9月28日 17時) (レス) @page22 id: 6d9ae995cd (このIDを非表示/違反報告)
白米(プロフ) - 課長封月Xさん» ありがとうございます！！ほんとですか！そう言って貰えて嬉しいです！✨ (2022年8月23日 22時) (レス) id: 28dea4d994 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白米
| 作成日時：2022年8月23日 0時
