紫苑をあなたに (ページ10)

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「2人は次いつ来るの？」
「いつでも来れる！なんなら明日とかでも」
「俺も明日暇や」
「湊くんと明那くんが来てくれるのすごい助かるから、明日も来て欲しい！」
「別に泊まっていってもいいよ」
「え？ガチ？」
「お泊まりきちゃー！」
「服とかどうする？」
「俺のでいいなら貸すけど」
「まじ？まゆの服借りていいん？」
「そんな！いいんですか！？！？！？」
「別にいいけど」
「その他諸々も貸すってことで！お泊まり決定ー！」

そんなこんなで、不破くんと明那くんが施設にお泊まりすることになった。
子供たちにそれを伝えると、飛び跳ねながら喜んでいて、それを見て私も頬が緩む。

お昼寝の時間、結局灰くんは寝ずに作業をしていたらしい。
私が寝たのを見てお昼寝部屋から抜け出したとか…
これは、湊くんから聞いた。

「灰くん。やっぱり今日は早めに寝て」
「いや、大丈夫。数学分からないんでしょ」
「うん。でも、湊くんに教えてもらうことにした！」

少し遠くにいた湊くんが、「え？俺？」って顔で私を見つめる。それに小さく頷くと、困ったように笑った。

「…」
「だから、早めに寝て！どうしても分からなかったら朝に聞くし！」
「…そう」

灰くんは少し怒っているみたいに「分かった」と言って、私の横を通り過ぎた。子供たちと遊ぶみたいだ。

なんで怒ってたんだろう…､

「Aちゃんが俺に勉強頼むなんて意外やな～…どしたん？」
「…一人で頑張ってみるから大丈夫。」
「なんでまゆゆに教えてもらわないん？」
「灰くん、疲れてるみたいだし…それに、いつまでも頼ってたら、子供扱いされそうで」
「子供扱い？」
「うん。灰くんは私のこと子供扱いするから」

女の子として見て欲しいの。

そう付け足すと、湊くんがニッと嬉しそうに笑った。

「恋しとるね～」
「…」

一人で楽しそうな湊くんを置いて、私は子供たちの相手をすることにした。

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