紫苑をあなたに (ページ15)

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「…どう言う意味の、？」

少し歯切れが悪そうに答えた灰くんに、ハッと現実に戻された気分になった。
これ、ダメなやつだ。

「どうゆう意味って…家族的な？意味？」

捻り出した言葉は、少し不自然な気もした。
声は震えて、所々少し裏返って、灰くんの目を見れない。

「…ちょっとペースあげないと時間遅くなるかも」
「、あ…うん、！」

灰くんは、さっきのことなんて何事も無かったかのように普通に歩き始めた。
さっきまでの出来事は、私だけがみていた幻とか夢の類だったに違いない。

「あちゃー…そこまで言ってひよっちったかー…」
「いやいや、ひよるよあれは…」

買い出しから戻ってきて、灰くんと明那くんに炭やらを任せて私と湊くんは台所で食材を切っていた。

「でもまぁ、脈ナシってことで」
「俺は結構いい感じやと思ってたけどなぁ…」
「私も思ってましたけどね。実際違ったって話でしょ。そりゃあ、7歳下の子とか興味無いでしょ。」
「いや分からんよ？」

「じゃあ、湊くんは7歳下の子と付き合えるの？」と聞くと、「いや…それとこれとは話が…」と口をゴニョゴニョさせていた

「だから、この話はもう終わりね。」
「うーん…」

少し不満そうな湊くんにぷっと吹き出す

「湊くん。優しいよね」
「えぇ？」
「あははっ！なにその顔！」

湊くんがあまりにも変な顔をするから、笑ってしまった。

涙が出るほど、

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