【】好敵手【】

違う ページ43

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妖は、古代から伝わりその存在が増えることも消えることも無い。邪悪な存在。

人を喰らい、人を襲い、人を操る。

彼らの栄養分は人間で出来ている。つまり、人がいる限り、彼らの誕生は止められない。

なんて邪悪な生き物なんだ。


そんな生き物と共に仕事をしなきゃ行けないなんて、本当に虫唾が走る。



「お兄さんカッコイイですね♡」


「インスタやってますか？♡」



都心ではよく見る光景だ。
ナンパだって、逆ナンだって、キャッチだって
よく見るし、よく絡まれる。
だから、よく都心に来る人はその対応には十分慣れている筈。



「ｧ…ｯｽｰｰｰｰｰ…やっ、てない…すね…」



女に言い寄られている男は、たどたどしく押され気味になっていた。
周りの人間はこう思うだろう「慣れていないんだな」って
でも、事実はこうだ「まずまず、人間の世界に慣れていない」

彼は他でもない。


吸血鬼なのだから



「…ばかじゃないの」



吸血鬼なんだから、その目の前にいる女も襲えばいいのに。なんで襲わないの？
人気が多いから？でもそんなの、人気が少ないところに連れて行けばいい。
そうしてくれれば、私も彼を祓うことが出来る

それに、いつも見る彼は絹糸の様な細く白い髪と赤く鋭く光る瞳だった。
だけど今は髪も瞳も黒く地味で、特徴と言えば声だけだった。

なんでそんな風にしてるの？人間に化けて人間を襲う為？それとも、目立たない為？


違う。

私がいつも祓ってきた妖とは、全然違う。



「私の連れに何か用ですか」




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