【】好敵手【】 (ページ39)

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馬鹿ページ39

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「お兄さんカッコイイですね♡」

「インスタやってますか？♡」

人生で初めて、逆ナンというやつに遭遇した。

ゲマズが全員デビューしてから数日が経ち、仲を深めるということを目的にゲマズで飯に行くことになった。

慣れない都会の街を歩いていると、おもむろにケバい女達に話しかけられた。

「ｧ…ｯｽｰｰｰｰｰ…やっ、てない…すね…」

こんな時にも出てきてしまう自分のコミュ障具合に呆れた。
こう言うのはキッパリ断らないとしつこいらしい。叶が言ってた気がする。

「じゃあLINEでも大丈夫ですかぁ？♡」

「Twitterでも大丈夫ですよ～♡」

まずい。

このままだと勢いに飲まれそうだ。

なんとかこの場の打開策を混乱した脳から引き出していると、

「私の連れに何か用ですか」

そう言って、俺と女達の間に入ったその人は

初対面で俺らの顔を見て「はぁ？」と言い、
話しかけても無視
妖嫌いで、誰よりも冷たい人間だと思っていた、同期の棗Aだった。

「私達急ぐので、」

そう冷たく言い放ち、俺の手首を掴んで早歩きでその場を去った。

もうその女達が見えなくなった時、直ぐに手首から手を離された。
棗Aはカバンから消毒液を出して手に塗っている。

その行動には大分イラッと来るが、助けられた事実は変わらない。

「ぁー…ありがとうございました…」

「…別に。私先に行くから」

やっとこの気まづい空気から開放される。と、思ったときだった。
脳裏によぎった「一緒に向かう」という選択肢
柄でもない「このままじゃダメだ」という真面目な思考、

「ぁ、あの…」

「…まだなんかあるの」

「いや…なん、つーか…」

「一緒に行きませんか」そう言うだけなのに、妙に緊張して、言葉が喉につっかえた。

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