放浪者の戦闘 ページ10
『今日もやる事無いんだよなぁ……。それならレイの店でも行くか……って、あれは……。』
遠くの方から此方に走ってくる人影。あれは……フーカだろうか。
hk「おーい、エリナー！どうせこっち向かってるってことはレイとこ行くんやろ？一緒に行こうぜ！」
『……いっつも暇ね。あんた。まぁいいけどさ。』
相変わらず元気だな。別に嫌いじゃ無いから良いけどね。
hk「今日も来たよ！」
『来たからには飲んでく。』
店の奥の方から出てくるレイ。雑談をしていると一人の男がやってきた。……恐らく我々国の幹部だな。
あの方から何度か話を聞いた。恐らくコネシマと鬱と言う奴だろう。
ri「そういえばゾムさんは？」
kn「ああ、ゾムなら多分迷いの森やと思う」
ri「そかありがと」
ut「またねー」
ri「はいはい……で、エリナ行くん？」
わざわざ私の為に聞いてくれたらしい。レイのこう言う所は普通に好きだ。
さて……あの方が居るなら行かなくちゃな。少しでも多くの時間を一緒に居たいから。
『うん、ありがとう』
ri「さて、私もそろそろ仕事やからまたねー」
そう言って居なくなったレイ。心の中で再度お礼を言って、店を飛び出す。
迷いの森までを全力で駆け抜ける。森の奥から聞こえるナイフを投げる音。……訓練中だろうか。
音を頼りに場所を特定した。見慣れた後ろ姿に向かって声を掛ける。
『ゾムさん！昨日振りですね。』
そう声を掛けると、彼は笑顔で此方に振り向いた。心なしか機嫌が良さそうだ。
Zm「そうやなぁ、そんで昨日言った事覚えとる？」
昨日ゾムさんに言われた事、その中でゾムさんが求めている答えは……。
『今度は私と戦いたい…ですか？』
そう言った途端に、私目掛けてナイフが投げられる。私はそれを指で挟んで止めた。
Zm「ふはっ、大正解やわ。そんじゃ俺との戦闘訓練、楽しもうや？」
ゾムさんとの戦闘、か。傷を付けない様に、しかし手は抜かない様にやらなくては。
『……分かりました、よ！手加減は無しですから！』
喋っている途中にも投げられるナイフ。接近するとゾムさんの楽しそうな顔が見えた。
私が彼を笑顔にさせられたと言う事実、それが嬉しくてつい本気を出してしまった。
Zm「楽しかったわ！また、やろうな！」
『ゾムさんがそう言うなら従いますよ。……でも私以外とはやらないで下さいね。』
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製作者 rie
次の方 レイさん
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