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その後、テヒョンオンマがテヒョンは人喰い鬼だと教えてくれた
当時はまだ学校で少しだけその存在を習っただけであまりピンとはこなかったけれど
テヒョンオンマの言葉が嘘には思えなかったし、それに目の前でテヒョンの鬼の姿を見て
自分の中で否定はしたくなかった
TH母 「テヒョンが、怖いでしょ?」
そんな問いを投げかけるテヒョンオンマはやっぱり悲しそうな顔をしていた
「ううん、怖くないよ!
だってテヒョンだもん!私のかわいい弟だよ!」
怖くない
その言葉は本当だった
だって私の知っているテヒョンは優しくてたくさん笑うただ普通の男の子だから
それに鬼になったテヒョンは誰一人食べなかった
私と目が合ってもこちらには向かってこなかった
それはテヒョンがいい子だから
鬼になってもテヒョンという男の子は変わらずそこにいるから
私はテヒョンを怖いとは少しも思わなかった
その言葉を聞いてテヒョンオンマは泣きながら私を抱きしめた
「ありがとう」
そう何度も何度も口から紡ぎ出して私を強く抱きしめた
私は次の日も変わらずテヒョンと関わり続けた
毎日私を「ヌナ!!!」と口を四角くして呼んでくれるテヒョンに愛おしさを感じた
それから私たちは13歳と11歳になる年まで楽しく過ごしていた
あの日以来テヒョンの鬼の姿は1度も見ることは無くて
私の中で彼が鬼という事実は忘れかけるほど遠いものとなっていたのだ
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Q(プロフ) - すごく引き込まれました…そしてユンギさんの代償は五感のうちどれか、というより全部?ジミンちゃんがただの遊びで鬼を追ってるのかも気になりました!!前の「あなただけで~」もめちゃくちゃ好きな話だったので、これからも頑張ってください!!! (2021年2月8日 15時) (レス) id: f8bc6e95fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いのみづちゃん | 作成日時:2021年1月20日 19時