月夜の願い YG

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さっきの私の願いは悲しくも消え去ってしまった









目の前には何故か体を噛みちぎられたような死体









酷く荒れたその場所には口から血を流した男の人が立っている









その光景に声が出なくて、足も上手く動かない









私の気配を感じたのかずっと立ち尽くしていた男の人がこちらを鋭い赤くなった目で睨む









｢っ、、、！！！｣









その目には見覚えがあった


その男の人は一度も会ったことがないのに









その赤い目には懐かしささえ感じさせた









私を見つけたその男は

牙を生やして、爪を鋭く伸ばし、身体中を黒く闇に落ちて行くように侵食させていく









その姿は









｢鬼、、、なの、｣









やっぱり見覚えがある姿だった









｢っぇ、、、｣









男は風を操るように人間では考えられないスピードで私の前に立ちはだかる









その勢に乗せた風が私の髪を揺らした









YG ｢喰ってもいい？｣









｢だめ、｣









男は逃げない私を心底不思議そうに見つめる









YG ｢俺が怖くねーの？｣









満月の夜に出会った彼は









｢怖く、ないです、｣









YG ｢はっ、おもしれぇ奴｣









人を主食として喰らう









人喰い鬼でした

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