菫と果実《Kei.i》 (ページ17)

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・十六ページ17

貴方「小梅！お入んなし」

小梅「はい！A姉さん！」

貴方「ふふ、慌ただしいねぇ、お前は

私のお客様のお連れ様よ、お話し相手になってさしあげて」

小梅「／／／

っ！はいっ！！！」

貴方「頼んだよ？」

そう言うと

山田様こちらですなんてぎこちなく隣の部屋へ移る2人

慧「へぇ、Aにも新造ついてたんだね～」

貴方「ふふふ、かわいいでしょう？

小梅って言うんです、私が太夫になって1年くらいの時に、

この前はあの子、熱を出していて」

慧「そっかぁ

いいね、そーゆーさ、可愛い子とかいて」

貴方「そうですね、ここにいる時の唯一の癒しなのかもしれないです」

そう言ったらふと、今朝のことを思い出した

貴方「そう言えば今朝、あの子が菫を私にくれたんです」

慧「すみれ？」

貴方「はい、とても綺麗でしょ？」

慧「ふふふ、そうだね」

小梅から貰った菫を見せるととても穏やかに慧様は笑った

慧様は不思議だ

初めてあった時私が心に閉じ込めていたものを全部ぶつけても笑ってて

あんなに嫌だと思ったのに

今日、慧様に会えてとても嬉しく感じる自分がいる

まだ会うのは2回目なのにこの人といると嫌な思いを忘れられる

お客様に笑っていただけるのは確かに嬉しくない訳では無い

でもたったひとつの笑顔でこんなに心が落ち着くなんて

慧「A、、、？」

ギュッ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

貴方「あったかいです」

こんなに人の温もりに触れたいと思ったのはいつぶりだろう