【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ47)

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#23【陽月御白】ページ47

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傷つけた君に会う気はない。

僕は部屋に引きこもった。

出たくなかった。

後悔した。だから壊した。全部。

葵を傷つけた日、僕は自分の腕を引っ掻いた。
次の日。カッターナイフで頬を切った。
その次の日。

「いらない！全部！

壊れちゃえばいいんだ！」

部屋にあった、参考書なんかの山を全部ぶっ壊した。
部屋がぐちゃぐちゃで足の踏み場もない。
でも、別にいい。
興味ないから。

少しして、部屋も片さないし、配信もしなくなった。
ネットの人とも話さないし、部屋から出ない。
苦しくなるから。打ちのめされるから。
辛くなるだけだから。

落ち着いて部屋を見るとひどい様子だった。

棚にはカッターナイフで切りつけた跡があり、床には紙の切れ端やボロボロになった参考書が落ちている。
机もボロボロだ。
もう、どうでもいい。

あぁあ。本当に悪になっちゃった。

何日かが経ったみたいだ

葵が今日、帰ってくるらしい。
もう、誰にも会いたくない。
だから、静かにしてることにした。電気を暗くしてベッドの上で永遠を過ごす。
それも、いいんじゃないかな。

「…御白」

葵に呼ばれた。だから部屋から出た。
話す気なんてない。
基本的には悪役(ヴィラン)は主人公と仲良くなってはいけない。だから、元にはもう戻らない。

「なぁ、みしr…」

顔を見れただけでいい。水を飲んで部屋に戻る。
こうしないと苦しいから。

「何で無視すんだよ！」

声を荒げた葵に少し驚いた。でも、僕は絶対、葵とまた仲良くなっちゃダメだから。こんなの許されないから。

「…どうせまだ、俺の事で自分を責めてんだろ」

責めて何が悪いの？僕が悪いんだから、自分を閉じ込めて当然だ。

「だって、ほんとのことでしょ？」

葵を傷つけた僕が、後悔しないわけない。

「…違う。俺は御白に守れと言われていない、自分からあの行動に出た。かけがえのない兄を、大切な兄を、大好きな兄を、絶対に失いたくなかった。自分が守って死んだとしても、御白だけには死んでほしくなかった」

失いたくなかったなんて、言わないでよ。
僕に希望を与えないでよ。
絶対苦しくなるだけなんだから。

僕の瞳からは涙が溢れた。僕はそれを隠すように何も言わず部屋に戻った。