【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ46)

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#23【陽月葵】ページ46

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ﾋﾟｯ、ﾋﾟｯ＿

「…お子様の葵様は、かなり重体と見られます。……後少しで、全身骨折＿つまり、死に至っていいました…」

「そんな…」

「葵ぃ…」

俺は微かな意識の中、医者と両親の会話が聞こえていた。

身体が動かない。

動こうにも、痛くて動けない。

『( 骨折、か… )』

御白＿兄貴は無事だったのかな。

俺はどうでも良い、兄貴が無事なら。

目を微かに動かして周りを見渡すも、兄貴の姿は無い。

『( じゃあ、怪我してないんだな…良かった… )』

兄貴の事だから、俺を傷付けた、とか考えてそう。

…自分を責めやすく、下げる様な性格をしているから。

「またお見舞いに来るわね…」

「待っててな…」

両親は俺の手を優しく握った後、病室を出て行った。

退院出来るその日まで、兄貴は一切来なかった。

それから数週間後。

俺は順調に怪我治り、退院出来る様になった。

両親は凄く嬉しそうな顔を浮かべていた。

そして車の中、俺はぼーっと外を眺めていた。

『……』

「良かったね、葵…私達心配したのよ?」

『…ごめんね、母さん達。心配かけちゃって…』

俺は弱々しく笑顔を向けた。

…無理矢理作った笑顔。

「いやでも、無事治って退院出来たんだから、とても嬉しいんだ」

『…そっか、俺も嬉しいよ。母さん達に会えて(会いたくなかった)』

それから暫く車を走らせ、家に着いた。

両親は仕事の出勤中に俺を迎えに来たらしく、俺を家に落として向かって行った。

『…御白』

俺は名を呼びながら、御白の部屋の前に立つ。

御白は部屋から出て来た。

『なぁ、みしr…』

話しかけても、御白は俺を無視して、横を通り過ぎた。

…何だよ、話しかけて無視するなんて。

俺は今まで両親について溜まっていた怒りが爆発し、御白の肩を掴んで此方を向かせた。

『何で無視すんだよ!』

「……」

御白は驚いた顔をするも、何も喋らない。

『…どうせまだ、俺の事で自分を責めてんだろ』

「だって、ほんとのことでしょ？」

『…違う。俺は御白に守れと言われていない、自分からあの行動に出た。かけがえのない兄を、大切な兄を、大好きな兄を、絶対に失いたくなかった。自分が守って死んだとしても、御白だけには死んでほしくなかった』

こんな言葉で御白を慰めなんて出来ないだろう。

…出来損ないで自分勝手な弟の言葉を聞いて。

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