【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ44)

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#22【陽月葵】ページ44

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それから数日後。

俺は高校にて、皆がグラウンドで何か騒いでいるのを聞いた。

『?』

教室の窓から覗き、耳を良く澄ませる。

「アイツ死のうとしてるぞ!w」

「おーい!早く降りて来ーい!w」

何の話をしているだろうか。

俺は窓から頭を出して、生徒達が見ている方向＿上を見てみる。

『!?御白!?』

俺の呼ぶ声に気付き、下を見て俺と目を合わせる。

御白の目は虚ろで、今まで自分の中で色々詰めて来たのが、爆発して…こんな行動に出たのだろう。

『ちょっと待ってろ!!』

俺は教室を飛び出して廊下を全力疾走する。

絶対に嫌だ、俺より先に御白が死ぬのは嫌だ…っ!

そんな事を考えると目頭が熱くなって来る。

けど気にしない、気にしてる暇は無い。

『御白っ!!』

俺は屋上の扉を思いっ切り開けて、御白の名前を呼んだ。

けど御白は返事せず、此方を振り向く。

「じゃあね。葵。」

『まっ…!』

御白は後ろ向きで、そのまま背後に身体を預ける。

俺は……

『絶対に死なせないっ!!』

ダッシュで走って、落ちて行く御白を抱きしめた。

けど俺はミスを犯していた。

『っ…!』

そう…俺が御白を抱きしめた所で、着地地点が…

『( 地面しかねぇ )』

此処の高校は4階建。

…4階もある高さから落ちたら、一溜りも無い。

俺は御白と立ち位置を変え、俺が背中から落ちる様に変えた。

「なんで、葵…」

『死んでほしくないんだよ』

…まだ俺には策がある。

俺は近くにある木に片手で掴む。

どうやら成功した様で、俺等は地面に落ちずに済んだ。

『この位なら落ちても…』

その時、バキッと音が鳴った。

俺の掴んでいた枝が折れ、俺が背中のまま落ちて行く。

そして…

『うっ…』

背中を思いっ切り地面にぶつけ、頭から血が抜けて行くのを感じた

…もうどうでも良いや。

頭が痛くて、背中が痛くて、足が痛くて、片腕が痛くて…どうでも良い。

『…はは……』

俺は御白の顔を見ずに、意識を手放した。

……俺は死んだって良い、御白が死なないなら……

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