【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ37)

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#18【陽月御白】ページ37

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授業が終わった後、保健室に向かう。
本当はすぐに家に帰りたい。体が痛いから。
でも、葵をおいて行くことなんてできないから。

「御白…」

保健室に入ってすぐ、葵に言われた。

「調子、どう？」

僕は聞いた。

「大丈夫。…御白は?」

なんで、そんなこと聞くんだろ。
僕のことなんて気にしないでいいのに。

「…え？」

「怪我、してたじゃんか。痛み引いた?」

引いてない。普段なら大丈夫なゲームも、今日ばかりは無理だ。

「…授業終わったんでしょ。じゃあ帰ろうか…」

「うん。」

「俺は一旦教室戻って、荷物を取りに…」

葵がそう言った瞬間、保健室の扉が勢いよく開いた。

「葵!大丈夫だったか!?」

「ずっと保健室から戻って来なかったから心配だったんだよ!」

多分、葵のクラスメイトだろう。僕のことは気にせず、葵に話しかけて、荷物を渡していた。

「あ、あぁ、ありがとう。心配かけてごめん、もう大丈夫だよ」

葵が驚いていた。まぁ、仲間が居て、いいな。

「でもまぁ、お大事に!」

「家では安静にしておくんだぞ!?」

「はいはい、分かってるってw」

葵は、いい仲間ができたんだな…。
クラスメイトたちは荷物を渡すと早々と帰って行った。

「じゃあ帰ろ、御白」

「…うん」

なんとなく、自分と葵との違いに打ちのめされていた。仲間がたくさんいる葵。会話すらほとんどできない僕。家族に愛される葵。邪魔者として扱われる僕。
運動ができる葵。ほとんど運動ができない僕。

生きるのを楽しんでいる葵。
消えたい僕。

家路を辿りながら、自分と葵の違うことを考えていた。