【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ34)

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#17【陽月葵】ページ34

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『うっ、うぅ…』

俺は悪夢に魘されていた。

息がし辛くて、全く身動きが取れなくて。

…でも現実と夢の区別は付く。

“「ﾁｯ、こんなもんかよ…やっぱつまんなかったわ」”

“「よっわ。そんなんで良く蒼氷なんて言われたな」”

“「ざっこ～w おもしろくねぇw」”

…そんな事を言われ続けた、不良になり始めた頃。

不良になって来てから、冷酷さ目色から蒼氷と呼ばれ、それを聞き付けた奴等は俺が強いと勝手に勘違いし、集団でボコしては馬鹿にする…散々だった。

嫌な出来事を思い出してしまった。

『……ぜってぇに許さねぇ…』

そう小さく呟く。

…けど誰かには聞こえていた様で。

「陽月さん!陽月さん!?」

『ん…?』

身体を大きく揺すぶられ、目を覚ます。

徐々に目を開けて行くと、保健の先生が俺の身体を揺すぶっていた。

「大丈夫ですか!?」

『え、何が…』

俺は目をはっきりと覚まそうと瞼を擦る。

すると、手が濡れていた。

『……』

「陽月さん、泣いてたんですよ…!大丈夫ですか…!?」

『…俺…泣いてたんですか…』

…そういえば、意識を手放す前、沢山泣いていた気がする。

それだけ泣いても、まだ泣き足りなかったのだろうか。

「大丈夫…?ゆっくり休みなさい…」

『…はい…そうします』

俺は涙を袖で拭き、また横になった。

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