【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ33)

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#16【陽月御白】ページ33

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「…御白…すまん…」

葵はそう言った。
そんなことを言う必要は無いのに。
僕が全部悪いのに。だって、こんな弱い兄貴はいらないだろう。不良に連れていかれて、弟も傷付ける奴なんて。

「ごめんなさい…俺の所為で…俺が、不良の所為で…っ」

絶対に、葵のせいじゃ無い。
葵が不良なのも、葵の個性だから。だから、悪くなんて無い。

「…泣かな…いで」

泣いてる葵が心配だった。

「うぅっ、だって、だって俺の所為で…ぇ…」

「葵のせいじゃない…。全部、僕のせい」

あなたのせいじゃ無い。僕は信じてる。

「…俺が、ダメダメだったから…俺が、守れなかったから…御白が…兄貴が…傷付いたんだよ…ぉ…ひっぐ…」

“大丈夫。葵は悪く無い。”

この言葉は飲み込んで、葵を抱きしめた。
そのあと、頭を撫でた。

「…っ、うぅ…」

葵は泣き疲れたのか寝てしまった。

僕は保健室に葵を連れて行き、先生に預け、教室に帰った。自分の体の痛みは無視をして。