【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ16)

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#8【陽月葵】ページ16

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『…で?此処でやんだろ?』

俺は歩く足を止めた不良に、尋ねた。

…まだ人の気配がするのは気の所為だろうか。

「あぁそうだ。なぁ蒼氷」

『あ?何だ』

「…お前、昨日のアイツがただの不良じゃねぇ事は知ってるか?」

何言ってんだコイツ。

ただの不良じゃない…?

『知らねぇ』

「…そうか…アイツ、結構強いヤクザ集団の1人だぞ」

『!?』

って事は、不良の裏にヤクザ…か。

…じゃあ昨日の強さはわざと…?

「で、俺が…その集団のリーダーだ」

不良は振り向いたと同時に、回し蹴りをくらわして来た。

俺はそれを一瞬の判断で、腕で受け止める。

『っぐ…!』

蹴りの衝撃が腕に来る。

衝撃の影響で、少し後退る。

「おいお前等、やれ」

「はっ!」

やはり周りに敵が居たらしく、どいつもコイツもこの学校の奴等だった。

…リーダー格の不良に従うって事はヤクザ集団の奴等。

『( 俺、絶対勝てねぇぞ… )』

そう考えてる内に、横腹に鋭い蹴りが入る。

『うがっ…』

蹴られた衝撃で、若干背後に下がる。

…が、完全に囲まれてる為、何処に行っても逃げられる道は無く。

「おらっ!!」

顔の横に蹴りが入った。

単発では終わらず、連続して蹴りや拳を入れられた。

『うっ、ｹﾞﾎｯ、ｹﾞﾎｯ…っはぁ、っはぁ…』

俺は壁に寄りかかって、地面に座り込んだ。

身体全身が痛い。

今まで喧嘩とは比べ物にならない位痛い。

『クッソ…』

「…お前、全然強くねぇな」

リーダー格の不良は、俺の髪を掴んで顔を上に上げさせる。

「ハッ、良い面してんな。睨んでる目…まだ抵抗したそうな顔して…」

『っ、いつかテメェ等をぶっ飛ばしてやるよ…』

「出来ると良いな、ただの不良が」

俺は心底腹が立った。

…けど、今の俺じゃまた返り討ちに遭うだけ。

「…まぁ次戦った時…誰にも見せられねぇ様な顔にしてやるよ。…今のイケメンな面で、俺等に怯えながら過ごしてろ」

『っはー…っはー…』

不良共は笑いながら帰って行った。

『クッソ…痛ぇし…動けねぇ…』

俺は身体の痛みで全く動けなかった。

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