【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ6)

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#3【陽月葵】ページ6

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「そういえば、今日お向かいの〇〇さんが、葵の事を褒めてたのよ～」

「葵は自慢の息子だからな!褒められて当然だな!」

…また始まった。

俺の自慢話。

俺は自身のこういった話が大嫌いだ。

『…へぇ、そうなんだ』

ほぼ棒読みで適当に相槌を打つ。

「それに比べて御白は…ねぇ?」

「劣ってる…よな」

と、また御白を侮辱。

俺は怒りが沸々と上がって来るのが分かった。

…けど、此処で俺が理性を保てなかったら

『( …御白に嫌われる )』

それだけは避けたかった。

親に嫌われるのは良い、御白が好かれるのであれば。

けど、御白に嫌われるのは絶対に嫌だった。

チラッと御白を見ると、下を見ながら黙々と食べ進めている。

『……』

話しかけたかった、けど無理だった。

そんな悔しくもどかしい気持ちが、辛くて堪らなかった。

「…ご馳走さま」

『あっ…』

俺は食べ終わって早々と戻って行く御白に、つい声を出してしまった。

慌てて口を塞ぐ。

『……俺も、ご馳走様』

「あら、いつもお代わりするのに」

「珍しいな。どうした?」

『…別に何でも無いよ。今日、ちょっと腹空いてなくて』

そう苦しい言い訳をして、部屋に戻った。

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