【オリジナル】止まぬ復讐劇の開幕 (ページ10)

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10話ページ10

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『ん、ぅ…』

俺は暫くして眠りから覚めた。

…辺りは暗い。

ショルダーバッグから携帯を取り出し、時刻を確認する。

『(…0時)』

それまでずっと寝ていたのか。

少し疑問に思いながら、立ち上がる。

『…行動するか』

入り組んだ道を引き返していく。

こんな場所はすぐ迷いそうだが、生憎記憶力だけはいい俺はすぐに出ることが出来た。

俺は家とは反対方向に向かって歩き出した。

反対方向はほぼ行ったことが無い。

『(こっちだったら、逃亡は可能かもしれない)』

家の方向には学校の他に交番もある。

もしそっちへ行ってしまったら、すぐ捕まってしまうだろう。

…いや、俺の場合は少年院に送り込まれるのか。

『(少年法が適用されればな)』

暫く歩いて、知らない景色が広がってきた。

少しは通ったことあるだろうが、殆ど無いだろう。

『…』

俺は少しでも逃亡が出来るように、休憩を挟まず歩き続けた。

『…ん』

背中から感じる振動音。

ショルダーバッグを前に持って来て、中から携帯を取り出す。

『…ニュースか』

速報のニュースで「一人の少年が四人を殺害」と大きく見出しがつけられていた。

内容を見る限り、俺のことを書いているようだった。

『…ふーん』

興味無さげに携帯をしまい、再度歩き出した。

…俺は携帯を取り出して地図を開いた。

確かめると、ここはだいぶあの場所から離れた場所のようだ。

通りで知らない道を歩いていた。

『…もうすぐ日が昇る』

俺は路地裏に入り、入り組んだ道を歩いて、奥まで入っていった。

だいぶ離れた場所に来ていたとしても、ニュースで俺のことが知れ渡っているだろう。

…迂闊には動けなくなってきた。

『…ふーっ…』

壁に寄り掛かって座り込んだ。

…ずっと歩いていた所為で足が限界だった。

それに何も食べていないから、ずっと腹が減っていた。

何も飲んでいないから、喉が渇いている。

『…これで、終わったしな』

俺の復讐は既に終わっていた。

もうここで死んでも悔いは無い。

…けど、心の奥底で「まだ生きていたい自分」がいるのだ。

だったら…

「［＿＿最近、同一人物による殺人事件と同時に、窃盗や強盗が相次いでいます。容疑者は男子小学生ですが、警戒を怠らず、出来るだけ家で＿＿］」

『バーカ、クズ人間共が』

復讐劇は幕を閉じた＿＿？

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