〈ver.旧〉【d!】ある兄妹の物語Ⅰ (ページ49)

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『ん…』

zm「A…!」

私は目を覚ました。

此処は保健室の様だ。

私が寝ているベッドに端に、ゾムが座っていた。

『ゾム…』

zm「さっき、高広さんが来てくれたんやで」

『お兄ちゃんが…?中学だよね…?』

zm「そうやけど、俺が高広さんにAの携帯を使って、LINAして“倒れた”って教えただけ。…高広さんは自ら来てくれたんや」

と、ゾムは微笑んだ。

…何処か嬉しそうに見える。

『嬉しそうだね』

zm「Aが目を覚ましてくれたんのと、“Aの側に居てくれて、ありがとう”って高広さんに言われたのが、嬉しくてな…!」

『…あのお兄ちゃんが、そんな事言ったんだ…珍し』

お兄ちゃんは、男子にそんな事を絶対言わない人。

だけど、ゾムにそう言った。

『(“ゾムを認めた”、とか?)』

私はそう考えただけで、笑みが溢れる。

zm「Aも笑顔。どしたん?」

『んーん、何でもない!』

zm「ずるいでA!」

『あははw』

私は意識を手放す前の戦いの代償を忘れ、ゾムと笑っていた。

『(でも、まだ油断はしちゃいけない。いつ何処で、四季帝界の者達が襲いに来るか分からないから)』

ゾムと話しながら、そう心の中で決意した。

zm「それじゃ、気を付けてなー」

『うん!そっちこそー!』

zm「『また明日!』」

あれからちゃんと授業に参加し、放課後になってゾムと分かれた。

『(…もう負けない。誰が戦いに来ようとも…)』

究極神の名に恥じぬ様に。

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