〈ver.旧〉【d!】ある兄妹の物語Ⅰ (ページ43)

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– 秋side –

ｶﾞﾁｬｯ＿

「はぁ、はぁ…只今、戻りました…」

智希が壁伝いに歩いて、会議室に入って来た。

「!?智希!大丈夫か!?」

「しき、おう、さま…」

今にも気を失いそうになっている智希。

…やはり智希では無理だったか。

「執事では無理だった様だな、秋」

「…」

「じゃあ…執事に命令した貴様なら、Aを取り戻せるよな?」

私は冬王に圧をかけられた。

こうなってしまったからには、実行しなくてはならない。

「分かった。…智希、Aの戦い方の全てを教えてくれ」

「やはり、【究極支配】でした…嘘は、通じません…能力は、見破られ、ます…後は…良く、分かり、ませんでし、た…」

そう言って、智希は気を失った。

智希の怪我から能力が割り出せれば…

「(けど、私の【四季支配】じゃ無理だ…)」

自分の生まれ持った能力を恨む。

「…秋。早く奪還して来い」

「分かった。明日、行って来る」

「ﾁｯ…明日か…」

冬王は私の返事に腹立たせていた。

今日はもう遅い。

…明日の午前中に奪還しに行こう。

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