〈ver.旧〉【d!】ある兄妹の物語Ⅰ (ページ12)

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あれから家に帰って来た。

智希さんは四季王さんと話があるらしくて、四季帝界に居る。

『冬姫って何するんだろ…』

ベッドに寝て天井を見つめながら、呟いた。

冬王とか他の帝国の王・王女と会議したり…?

『ん～!考えても分からない!』

ｶﾞﾁｬｯ＿

『お兄ちゃんかな?』

ベッドから降りて、1階の玄関に行く。

「おぉ、ただいま」

『お帰り～!』

スーツを着ている事から、依頼から帰って来た事が分かる。

『今日学校、早かったの?』

「そうだな。だから、依頼とか早めに受けれたし」

お兄ちゃんは靴を脱ぎ、部屋に向かって行った。

『依頼かぁ…そんなに悪人って多いのかな?』

疑問を抱いたまま、部屋に居ても退屈な為リビングに行く。

『ジュースでも飲もうかな』

キッチンへ行き、冷蔵庫を開ける。

『お、あったあった』

ジュースを取り出し、キャップを開ける。

そして、ゴクゴク飲み始める。

『ん～美味い!』

「あ、頂戴」

着替え終わったお兄ちゃんがジュースを取り上げる。

『え、あ』

お兄ちゃんはジュースを飲み始める。

『ちょっと!私のなんだけど!?』

「はぁ?別に構わないだろ」

キャップを閉めた状態でジュースを返してもらう。

『もう!』

頬を膨らますと

「ケチ」

と、一言。

人の物勝手に飲んでおいて、ケチって…!

お兄ちゃんはさっさと居なくなった。

『…外行こっと』

ジュースを冷蔵庫にしまい、外へ出掛ける準備をする。

「あ、おい。何処行くんだよ」

お兄ちゃんが部屋に来る。

『何処って…外だけど…』

「俺が勝手に飲んだからって怒ってんのか?」

『違うし』

私はお兄ちゃんを退かし、1階へ降りる。

「…行って来ても良いけどよ、最近不審者が居るらしいから」

『ふーん…行って来まーす!』

「あっ!人の話を最後まで聞け!」

お兄ちゃんが玄関まで走ってきたが、ダッシュで外に出る。

暫く走ると、人気の無い場所に来てしまっていた。

『っ!?』

急に後ろからバッドのような物で殴られ、気を失った。

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