【オリジナル】嘘だらけの殺し屋家族 (ページ15)

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とは言っても、父が何処に居るのかなんて、知らない。

一回も父を見た事が無い。

俺と姉さん__羽衣が此処に来たであろう時から、声でしか聞いた事が無い。

『どうしたら良いんだ…』

途方に暮れて、コンクリートの壁に寄りかかって座り込む。

どんどん日が沈んで来て、最悪な事に、雨が降って来た。

『(寒くなるじゃん…)』

その時、声をかけられた。

「お兄さん、風邪引くよ」

声をかけてくれたのは、スーツを着たおじさんだった。

『…』

「おじさんの家行くかい?」

『…あんた、父さん?』

何処かで聞いた事のある声だった。

「ふふ…良く分かったな」

良く見ると、スーツに血の飛び散った後が、薄く付いている。

「初めまして、西城 A兼殺戮皇子」

俺は立ち上がり、少し離れて爆弾を投げた。

『父さん…と言いたい所だけど、偽家族と知ったから』

「っと…それは母さんから聞いたのか?」

『あぁ、でももう死んだよ。俺が殺した』

「そうか。じゃあ羽衣もAも、俺が始末する」

元父は凄いスピードで、ナタを持って腹に刺して来る。

『ｶﾊｯ…!』

でも倒れずに、大型爆弾を投げる。

「残念」

軽々しく避けられ、またナタを持って此方に走って来る。

俺は隙を見つけ、元父の口の中に小型爆弾を投げ入れた。

と同時に俺の鳩尾にナタが深く刺さった。

『う、ぐ…』

「っ…ヤバい」

元父は体内から爆発して、木端微塵になった。

『ふっ、はぁ…』

少しフラフラする。

『でも…此処で、倒れちゃ…!』

俺は思いっ切り走った。

夜になった街を走り続けた。

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