【オリジナル】嘘だらけの殺し屋家族 (ページ11)

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– 母side –

Aの身体を隅から隅まで検査した所…。

「何、コレ…」

初めて見た結果に驚いた。

「か、母さん…どう…?」

羽衣がちょこっと顔を出して、話しかけて来た。

「かなり…ヤバいわ…」

「何が?」

「…狂気心が…成長してる」

「え!…ってか、成長するんだ…」

私は頷いた。

「狂気心は、Aがピンチになったりすると出て来るんだけど…その出てくる回数が多ければ多い程、発動がしやすくなり、相手を殺すスピードが上がったり、本体(A)と接触する可能性が出るのよ」

「もし、Aが狂気心に知らせられたら…」

「思ってる通り、常に発動状態に陥るわ。そうなった場合、拘束してもいつかは壊される。戦っても、確実に100%負ける。そして…何より、切り離す事が出来ない」

羽衣は絶句して、涙を流した。

「羽衣の気持ち、とても分かるわ」

そう言って私は、羽衣を抱きしめた。

『ん…ん?』

「A、起きたのね。体調はどう?」

『特に何も…それよりさ…』

「どうしたの?」

『俺の身体の中に、何か居るの?』

Aは私にそう問いかけて来た。

「何で?」

『何かさ…目覚める前に、チラッと見たんだけど…少年が、ずっと俺に背中を向けてて…それで、何か言ってたけど分からなかった…』

「…A、今後一切その少年を見ても、絶対に話しちゃいけないわよ。話しかけられそうになったら、とにかくその中で逃げ回って頂戴」

『分かったけど、何で?』

「…良いから」

Aは私からの圧に怖気付いたのか、渋々理解した。

「(この事は父さんに伝えなくちゃ…)」

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