【オリジナル】ある神様が、十個の力を取り戻すまで (ページ42)

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俺は気配を研ぎ澄まし、千都の気配を探った。

『…!』

その時、あるタワマンの最上階__20階の所から、微かに感じた。

『何であんな所から…』

此処のタワマンには“崇拝者や崇拝されし者が住んでいる”と噂がある。

俺は警備員が居ない事を確認し、人気の無い場所から【身体能力支配】で身体能力を上げた。

素早く壁を登って行く。

『…っと』

20階のベランダに着地する。

地上で感じた気配より、強くなっている。

俺は窓を開けて、中に侵入した。

『っ…千都!』

そこには千都の姿と

「やぁ、やっぱ来たんだね」

アルカット・セイバーの姿があった。

千都がアルカットを守る様な動きをしている。

『どういう、事だ…』

「見て分からないかな?千都君はAを裏切ったんだよ」

『そんな訳…っ!』

そう言ったものの、千都が俺を裏切った…いや、操られて裏切った。

絶対にそうだ。

あの千都が自身の意思で、アルカット側に付く訳無い。

ずっと一緒に居た親友だから、千都の事を理解している。

『…なぁ、千都。お前はそっち側なのか?』

「アルカット様、側…仰せのままに」

話が通じてない。

「アハハッ!」

『何が面白い…』

「いや〜滑稽だなぁって!ホント、アイツと似てるよ」

『アイツ…?』

「そうそう!藤沢楓(ふじさわかえで)と一緒だよ!」

『藤沢…楓…』

藤沢楓__俺と千都の親友。

そして、殺された人物。

幽霊になっても、俺等と喋ってくれたり助けてくれたり…。

『お前が殺したのか…っ!!』

俺は怒りでアルカットに突っ込んだ。

「アルカット様をお守りします…」

千都が俺に雷をぶち込んで来るが

『格闘【破壊打撃・極】』

【格闘支配】で千都を気絶させておく。

「あーあ、親友を傷付けちゃった。可哀想〜」

『うるさい…うるさいうるさい!!』

「そっちがうるさいよ」

『お前に…お前に何が分かる!俺達の友情に何が分かる!!』

俺は怒りから、アルカットを無惨に殺してやりたいという頭しか無かった。

「…まぁ良いか。まだ俺等は争うべきじゃないんだよ。だから気絶して」

気付いたら、アルカットは俺の背後に回っていた。

「じゃあね」

俺の背中に剣が貫通した。

『ｶﾞｯ…』

ﾊﾞﾀｯ__

「…千都、君はこれからどうするのかな?」

アルカットの不気味な声に笑顔__

千都を見つめ、姿を消した。

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