【オリジナル】ある神様が、十個の力を取り戻すまで (ページ31)

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『…よし』

俺は千都の回復が終わり、周りを見渡す。

意外な事に、街が破壊されていなかった。

千都が理性を壊して俺を殺しにかかっていたから、千都が守った訳ではなさそう。

「僕が街を守った、そう言ったら驚く?」

『…いいや、君ならそうするだろうから驚かないよ』

「そっか。千都は元気?」

『あぁ、でも最近家族を失ったから、悲しそうに見える』

「…そうなんだ。ごめんね…あの時、僕が死ななければ…」

『別に責めてる訳じゃない』

「それじゃあ、僕は行くね。またね」

『うん、またね』

君と話すだけで、心が安らぐ。

「ん…?」

『お、千都起きたか。体調は?』

「良好だけど…俺、何してたっけ?」

どうやらさっきまでの記憶が無い様だった。

『…さっきまで、俺と殺し合っていた。何か暴走していたみたいで、街を破壊しそうになっていたんだ』

「そう、なのか…暴走って…俺操られていたのかな…」

『だと思う。千都の心境が、操る者にとって操りやすい状態だったのかもしれないな』

「…沙月や両親が惨殺、それがショックだったから、情緒不安定な状態だったんだろう」

千都の顔を良く見ると、ハイライトが戻っていた。

さっきまで操られていたから、ハイライトが無かったのかもしれない。

『取り敢えず、疲れただろ。帰ろうぜ』

俺は座ってる千都に手を差し出す。

「うん、帰ろうか」

千都は俺と手を掴み、立ち上がった。

そして、俺の家に一緒に帰った。

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