【名前変換オリジナル】それは絶対に叶ってはいけない恋 (ページ8)

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『あ、う…』

とても痛くて、辛い。

「A!」

先輩は私の苗字ではなく、名前を呼んだ。

そして、私の腹部を押さえて止血しようと動いた。

「お前…良くも…!」

「え～?俺は悪くないよね?だってさ、お前を庇ったのはAさんでしょ?」

「Aが傷付く位なら…俺が刺された方が…」

私の額に透明な液体が流れて来た。

『(涙…か)』

先輩は、涙を流していた。

『先輩…泣かないで、下さい…』

「Aは喋るな…傷が悪化する」

颯太君はゆっくりと此方に近付いて来る。

「まぁどっちみち、殺すってのは変わりないから」

いつの間にか持っていた銃を向けられる。

『颯太君…止めて頂戴…』

「何で」

『…これ以上、罪を、重くしないでほしいの…』

「!!」

私はこんな連続殺人鬼(シリアルキラー)にでさえ、惚れてしまった。

実際に刺されても、絶対にダメな恋を抱いてしまったんだ。

「…そっか。Aさんのお願いなら、そうするよ…最後にAさんに聞きたいんだ」

『何…?』

「名前、教えて?」

『…瀬川 A』

簡単に教えてしまった。

心の何処かで、彼に名前を呼んでほしい自分が居る。

「Aさん、次会った時は…よろしくね」

どういう意味の“よろしくね”か分からない。

“捕まえて”という意味なのか。

“先輩が殺される準備をしてて”という意味なのか。

『うん…』

警察として失格な行動をしてしまった。

颯太君は、にっこり笑って去って行った。

「A…動けるか?」

先輩の言葉に、私は弱く頷いた。

差し伸べてくれた手を握って、立ち上がる。

肩を借りる様にして病院に向かった。

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