【d!】家出した幼い少女の心は (ページ27)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:40,736 hit

27話ページ27

・

『ん、うぅあ…』

私は涙が溢れて来て、鼻を啜っていた。

？「…大丈夫めう？」

？「魘されてるし、涙と鼻水まで出てる…」

と…2つの声と、私の身体を微かに揺すられる感覚に、私は目が覚めた。

『あ…だ、れ、ですか…？』

ゆっくりと身体を起こしながら、袖で涙を拭う。

目の前には、トルコ帽を被った、後ろで茶髪を結っている糸目の男性と、白の帽子に白の服、白のマスクに赤の「×」が描かれた、黒髪の男性がしゃがんでいた。

私と目線を合わせながら、話しかけていた。

os「俺はオスマンめう〜」

ht「俺はひとらんらん。君のことはグルッペン達に聞いてるよ」

『オスマンさんに、ひとらんらんさん…私はAと申します…』

泣いていた所為か、目の前が霞んでいる。

os「あだ名でええよ。マンちゃん、とかな」

ht「ひとらん、って呼んでいいよ。あと、タメ口で構わないからね」

『じゃあ、マンちゃんとひとらんで…』

os「ふふ、よろしくめう〜♪」

マンちゃんとひとらんは、私の頭をポンポンと撫でた。

…なんだか安心して、落ち着いてきた。

先程の夢は忘れられないけど、一時的に忘れられる。

『ねぇ…グルちゃん達は…？』

ht「それぞれ仕事に戻ったと思うよ。俺達が帰ってきたときには、もう既にリビングにいなかったし」

os「Aちゃんが寝とったし、起こさなかったんやろなぁ」

『…そう、だったんだ…』

私はソファーに寄り掛かって、一息吐いた。

起こしてくれてもよかったのになぁ、と思ったけれど、マンちゃんとひとらんと話せてよかった。

・