【オリジナル】石化の魔眼を持つ少年Ⅰ (ページ19)

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19話ページ19

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それから僕のクラスは平和になり、影響から徐々に学校すらも変わった。

別に贔屓などはされていない、ただ差別が無くなって、僕も一生徒として周りと等しく接せられるようになった。

まぁ、友達は僕が求めていないから、知人程度で話をしていたりする。

「琴に何事も無くてよかったよ！あんなに言っちゃったけど、はっきり言うとスッキリしたね！」

ある日の学校からの帰り、隣を歩く葵は満面の笑みを僕に向けた。

『だね。…僕もスッキリした』

ボソッと言葉を返す。

そのとき、僕らの背後から猛スピードで走る足音が聞こえてきた。

距離的には少し距離がある、僕は咄嗟に振り返った。

「殺してやる…！！」

鬼のような形相で、ナイフを持った女子の姿。

あの日、朝僕と言い合いをして負けた女子だった。

「ちょっ、アンタ何して？！」

『葵はいいから。…こっち来い』

僕はダッシュで走り出した、あれから真面に授業を受けれるようになった為、人並み以上に体力がつくようになったのだ。

あの女子は周りが変わり始めてから、僕を虐める仲間がいなくなって＿要は味方がいなくなって不登校になっていた。

恐らく親や先生に言われて、更に味方がいなくなったのだろう。

『だから僕に八つ当たりって訳ですか。はぁ、面倒だな』

僕は路地裏を曲がり、暗い道を走り続ける。

「待てー！！」

『うるさ…』

女子のスピードが徐々に落ちていく。

体力がもう無いのだろう、僕はある程度距離が空いたとき立ち止まった。

「殺す、絶対にアンタだけは殺してやる…！！」

『それで本当に後悔しない？』

女子はナイフで僕を刺す直前、ピタッと止まった。

眼帯を外して両目を閉じたまま、女子に問い続ける。

『僕を殺して満足？』

「当たり前よ、後悔なんてしない！満足でしかないわ！」

キンキンとうるさい声が耳に響き渡る。

どれだけ興奮してんのやら。

「最期に言いたい言葉はある？最期なんだから聞いてやるわよ」

『そっちこそ、何か最期に言いたいことは？最期なんだから聞いてあげる』

女子は未だ理解出来てないようで、「は？」と小さく呟いた。

『無いってことでいいんだね。じゃあ、さようなら』

僕は目を開け、石化の魔眼＿キュベレイで女子を見つめた。

こうでもしないと僕は殺されてしまうから。

一気に石化していき、やがて女子は完全に石化して倒れた。

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