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★焦がれたモノ 野上side ページ12

エリス「ねぇ!中也落ちの好きな物ってなぁに?」



中也落ち「え?」



今日の任務は首領が愛してやまない幼女、エリス嬢の遊び相手であった
任務がない日や、補佐官としての仕事は少ない日はこうして遊んでいる



柔らかい金髪、丸い青い瞳に綺麗なドレス。
まるでお人形さんのような愛らしさを持つ、エリス嬢に如何やら私は好かれている



エリス嬢は書いていたクレヨンの手を止め、無邪気な笑みで質問してきた



中也落ち「す、好きな事ですか・・?そうですね、料理や読書が好きですかね」



エリス「へぇどんな本を読むの?」



中也落ち「えーと・・・時代小説とか、SF小説とかですかね?エリス嬢はどんなお話しがお好きですか?」



エリス「私?私はね〜・・・絵本よ!絵本が好き!」



中也落ち「絵本ですか。いろんな物語があって面白いですよね」



エリス「えぇ!後中也落ちは料理もするの?」



中也落ち「はい。と、言ってもお菓子とかはあまり作らないんですけど」



そう伝えると、エリス嬢は羨ましそうな表情をしていた
なぜそんな顔をするのだろうか



エリス「私も料理してみたいわ!今度、リンタロウに御願いしてみよーっと」



中也落ち「あ、危ないのでは?」



エリス「中也落ちも一緒に作るのよ!リンタロウは私のお願いに弱いから、許してくれるわ!」



なんて恐ろしい幼女だろうか。マフィアの首領を顎で使うとか・・・
私ならエリス嬢のような立場であっても、恐れ多くて絶対に無理だ



これが子供の無邪気さと言うのだろうか?
私は、こうやって甘えさせてくれるような人間がいなかった


孤児院では、唯一の親友と呼べる存在は太宰落ちしかいなかった
異能である毒液を怖がり、他の孤児たちを守るため。正確な判断だったと思う
逆に皆に被害しか与えない存在である私を、捨てずにいてくれた

それだけでも幸せだと、幼少期は思っていた
けど、子供というのはやっぱり欲張りな生物だった。
衣食住が保障されていても、友達が欲しい、外に出たい。そんな欲求に溢れ出る


けど、そんな我儘を言う度胸は私にはなかった


そんな時に出来た親友。それが太宰落ちだった。
異能力者同士だった私達は、それはもう意気投合し大人になった。

真面な職には付けそうになかった私達は、裏社会へと手を染めた
手を染め、私達はそれなりの名の知れた暗殺者となった。


しかし私はまだ子供だった。光の世界に行きたい
光の世界の焦がれても、一人で行く勇気なんてなかった


だから太宰落ちを道連れにしてしまった

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設定タグ:文スト , 双黒   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:祢々切丸007号&カルラ x他1人 | 作成日時:2018年4月1日 21時

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