【文スト】私が成りたかったのは彼女でなく彼【成り代わり】 (ページ4)

今日:9 hit、昨日:7 hit、合計:128,823 hit

噺、４ページ4

ぶつくさと首領と云われていた人の名前らしきものを云いながら封筒を開ける紅葉様

「、、、うむ、緊急で無いのなら今寄越さなくても良かったものを･･････次会ったら文句を云ってやろう」

ポイッと封筒を書類や資料がある机の方へ投げ、茶をひと口のんだ紅葉様
大切なものじゃないのかな

「そうじゃ！Aと食べようと思うておった菓子があるのじゃ。一緒に食べようぞ」

「お菓子･･････？」

紅葉様は立ち上がり、棚を開けた

そこから之また高そうな箱を取り出して来た

「たまたま出先で見つけてのう。ほれ、可愛らしい見た目の饅頭じゃろ？」

「わぁあ、凄い」

中から出てきたのは色とりどりで綺麗な饅頭

「気に入ってくれたか。好きなものをとって良いぞ」

お言葉に甘えて、美味しそうな饅頭を手に取る

はぐっと一口

「どうじゃ、？」

「物凄く、美味しい」

控えめで上品な甘さ。今迄食べた饅頭の中でも断トツに美味しい

「ほぉ、確かに美味いなぁ。また今度買ってこよう。その時もAと一緒に食べるかの」

この人は、私をよく気にかけてくれる･･････

紅葉様って良い人なのかな

それにお礼も言わないと。なんて呼んでたんだろう。偉いさんみたいだし、無難に･･････

「ありがとう。紅葉様」

こんな感じかな。
あれ、やっぱり違った･･････？

固まってる。目見開いてる

「あの、」

大丈夫と云い掛けた途端

「漸く、」
「え、」

「漸く私の名前を呼んでくれたの！じゃがそんな他人行儀出なくても良いと言ったであろう！姐さんと呼んでおくれ！」

「え、と」

私、紅葉様の事名前で呼んでなかったの？

「ほれ、はやくはやく」

浮き浮きした表情の紅葉様

じゃ、無くて･･････

「姐さん」

「おお、おお！今日は記念日じゃ！之は中也と鴎外殿に絶対知らせなければならぬ！Aはなかなか私の名を呼んでくれぬから嫌われておったとかと思うておったぞ！ひと安心したわい･･････これからも沢山呼んでおくれ！」

お茶を飲んで、一息ついている

ふにゃふにゃしている姐さんの顔。表情筋が働いてなくなってるね、あれ

「いやー嬉しいのぅ、嬉しいのぅ。Aのお陰で任務が頑張れそうじゃ･･････」

未だににこにこしてる姐さん
任務･･････？

「あっ、ド忘れしておったっ！Aに渡そうとしていたものがあるのじゃ。ちと饅頭を食って待っていてくれるかえ？」

「？、はい」