【文スト】私が成りたかったのは彼女でなく彼【成り代わり】

噺、２３ ページ23

「やめて！」


姐さん、姐さん、


「嗚呼その表情！愛いのう 何でも聞いて遣りたくなる しかし済まんの 鴎外殿の命はこの小僧の始末(・・・・・・・)でな」

「！」

そんな･･････それじゃあ、勝ち目が無い


「小僧だけではない 首領は探偵社員悉くの鏖殺を所望じゃ」

何故･･････何故こんな事に

「戦争じゃよ 既に全幹部が動き出しておる しかし私はそなたの助命を嘆願し特別に赦された」

私を連れ戻す為に、此処へ？
矢張り私は探偵社に居てはいけなかったの？


「戻るのじゃA そなたは闇の花 闇の中でしか憩えぬ」

「そんな、わたしは･･････っ」


嫌だよ姐さん
私はもう誰一人も殺したくは無いの･･････




望みがあるなら言葉にしなきゃ駄目だ



！！

ふと、中島さんに云われた言葉が頭に浮かんだ
そうだよね。ちゃんと云わないと

光へ導いてくれる人がいれば、私は


「･･････違う」

「！、A」



「私は 闇の花じゃない」


「･･････恨むぞ小僧 あの子は光に目が眩んでおる 貴様が見せた光じゃ」


そう云うと姐さんは刀を抜いた

「しかし幸い まだ手がある」

「！」

そして、ソレを中島さんに向けた


「小僧なき探偵社はさぞや居づらかろうて そなたの所為で殺されたとあれば尚更」

「ぐ･･････」

中島さんの首に刃が刺さる









「っ、待って･･････」




今、私が彼を助ける為には出来る事は


「判った ･･････戻ります だから」



これしか･･････っっ



「凡てそなたの為じゃ A｣

ユラッ

「孰れ判る時が来る」

ズルッ

姐さんの夜叉が、中島さんの腹に刺さっている刀を抜いた


手を差し伸べてくれた姐さん


ごめん、ごめんなさい
姐さんから貰ったぬいぐるみを、強く強く抱き締めた





トサッ



「･･････！！」

懐に隠していた刀で、姐さんを刺した

いや、正確には手で受け止められたけれど


「流石じゃ･･････A まるで殺気を･･････感じなんだ」

私が暗殺者に向いていると、云いたいんだね


「！」

サッと、姐さんの懐からとった携帯を取り出す


「明るい世界を見た･･･知らなかった頃にはもう戻れない」


「･･････それを使うなA 使えばそなたは」


駄目だ、目頭が熱くなってきた
最近泣いてばかりだな、全く



姐さんには、とても恩を感じてる


ずっと一緒にいたいと思ってる




でも、

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